[2021年3月26日]
アラカン…と言えば、昔はバンツマ・エノケン・チエゾウなども連想された訳ですが、
最近のアラカンはアラサーやアラフォーの仲間になってしまった様で…Around還暦。
歴史用語を筆頭に、五行の木・火・土・金・水や十二支(エト)や陰陽を用いた表記は
多く使用されています。五行は陰陽との組み合わせで、5×2=10で十干となります。
【木・火・土・金・水】を【陰(弟)と陽(兄)】に分ける…陰陽五行説の一例です。
【兄】を【エ】と発音し、【弟】は【ト】の音になります。例を挙げると…
「木」の「兄」は『きのえ』となり、更に別の漢字を与えられます⇒【甲】(キノエ)です。
同様に、「木」+「弟」⇒【乙】(キノト)となり、次のは「火」+「兄」⇒【丙】(ヒノエ)です。
きのえ……木の兄 【甲】コウ
きのと……木の弟 【乙】オツ
ひのえ……火の兄 【丙】ヘイ
ひのと……火の弟 【丁】テイ
つちのえ…土の兄 【戊】ボ
つちのと…土の弟 【己】キ
かのえ……金の兄 【庚】コウ
かのと……金の弟 【辛】シン
みずのえ…水の兄 【壬】ジン
みずのと…水の弟 【癸】キ
これに十二支(エト)の【子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥】を加えて、
順番に並べたものが十干十二支と呼ばれる組み合わせです。
並び方の規則は、「十干」の後ろに「十二支」を順番に接続する形式です。
【きのえ:甲】+【子:ね】⇒【甲子:きのえね】
【きのと:乙】+【丑:うし】⇒【乙丑:きのとうし】
【ひのえ:丙】+【寅:とら】⇒【丙寅:ひのえとら】
【ひのと:丁】+【卯:う】⇒【丁卯:ひのとう】
甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉・甲戌・乙亥…の様な
並び方なので、十干と十二支は半数の組み合わせにしかなりません。
【10×12÷2=60】組で、最後の癸亥【みずのと い】から、最初の甲子に戻ります。
∴十干十二支が一巡する事から、60歳は還暦で…アラ還は60歳前後です。
大正13(1924)年は十干十二支の最初の組み合わせである甲子の年で縁起が良い
という事もあり、3月起工⇒8月竣工で甲子園大運動場⇒後に甲子園球場となります。
672年7月〜8月に起こった古代日本最大の内乱:壬申の乱は【みずのえさる】
の年に勃発した叔父と甥の戦乱で、反体制側が勝利した:日本史上の少数例です。
他にも、「戊戌の政変」「辛亥革命」「甲午農民戦争」、「乙巳の変」「戊辰戦争」…
或いは「庚申塚(塔)」「丙午:ヒノエウマ」「強(五黄)の寅」など、枚挙に暇がありません。
また、十二支(エト)は方角や時刻にも割り振られ、北の【子】から時計廻りで、
当てはめられたので、東が【卯】、南は【午】、西の【酉】…の様になります。
∴北の【子:ね】と南の【午:うま】を結ぶ線は【子午線】と呼ばれます。
時刻も同様で、「0時(24時)」は【子の刻】です。諸説ある様ですが、一般的には、
「0時」の前後1時間づつの計2時間が【子の刻】で、次の約2時間が【丑の刻】です。
各刻の約2時間は4分割され、例えば「丑一つ」「丑二つ」「丑三つ」「丑四つ」と
数えました。なお、『うしみつどき』には【丑満つ時】とする向きの解釈もあります。
昼の12時前後は午の刻ですので、正午を挟んで午ヨリ前・午ヨリ後となるワケです。