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Andante (アンダンテ) 
音 羽 教 室 1:1個別指導専科

[2021年3月26日]

10号:放課後の豆知識;10…「模試」と「偏差値」

共通テストへの移行・受験の多様化など…従来型の模試では判定できない様な入試も
増加傾向ですが、だからと言って、模試を軽視したり、勝手な観方をしては、更なる迷路です。

一般的には、経験的なものや数学的なものも含め、迷路には解法と呼ばれる手法があります。
その迷路に出口と入口があるなら、解法に則れば、脱出できるワケです。
迷路に迷う理由の半分は…迷路の存在そのものにあり、残りの半分は迷路に臨んだ挑戦者
その当人が迷路から抜け出す手段を知らない事に起因している…と、言えそうです。

例えば、紙上の迷路を解くなら、行き止まりの箇所を全て塗り潰せば、結果的に正解が…
つまりは Start ⇒ Goal までの経路は塗り潰されずに、紙面上に残ります。攻略法が判れば、
後は素直に実行するだけで、迷宮からの省エネ的な脱出が可能になります。

模試や受験でなら、例えば偏差値です。意外な事に、比較的に多くの皆さんが漠然と捉えて
いる様です。確認として列記すると、偏差値の分布は…小数点以下2桁目を四捨五入して、
    偏差値:30以下…全体の2.3%
    偏差値:40以下…全体の15.9%
 偏差値:40〜60の間…全体の68.3%偏差値:50=平均点
    偏差値:60以上…全体の15.9%
    偏差値:70以上…全体の2.3%

テスト結果の得点や、テスト毎の平均点は、テストの都度で変わります。しかし偏差に換算すれば、
偏差値50=平均点なので、全体に対しての自分のポジション把握確認として有効な手段です。

特殊な模試でなければ、偏差値45を偏差値55に上げるには、歴史や生物や英語の様に解答欄の
多い科目なら、5個前後のの数が増えれば、クリアできる計算です。

また、偏差値を英・数・国…などの3科で観た場合、3科目が共に偏差値50であったら、合計点での
偏差値は52〜53程度にはなるハズです。これも偏差値の【分布】と言う性格に発している様ですが、
実際の現象的には【3科目を揃えるのが難しい】からです。

これを逆に考えれば、得意科目に偏った幼稚な学習を重ねるより、苦手な科目や不得手な分野の
底上げに傾注すれば、努力以上の余剰的な効果を見込める事にもなるワケです。付け加えると、
得意分野を90点から5点上げるより、70点⇒80点…或いは60点⇒75点に上げる方が現実的には
実現の可能性は高く、上記の様に合格への有効性も高まります。

考え方として、95点は5点しかミスが赦されませんが、80点なら20点分がミスの許容される範囲です。
模試や入試の点数は、得点:点数を獲得する感覚より、ミスや遺漏を減らす感覚を重視すべきです。
合計点数】は…部分点でも、寄せ集めでも、見た目が悪くても、点数は点数です。

入試では100点満点で合格する事や人が殆ど皆無に近いのですから、【より多くを得る】闘志よりも、
【より少なく失う】戦術や、点数を掻き集める【積算戦略】…が大切な教務ポイントです。