[2021年3月26日]
地球の月は太陽系の衛星では5番目の規模です。約の数字ですが、列記(直径)すると…
火 星:6,794km
? ガニメデ:5,262km 木星
? タイタン:5,150km 土星
水 星:4,879km
? カリスト:4,800km 木星
? イ オ :3,630km 木星
? 月 :3,474km 地球
? エウロパ:3,202km 木星
? トリトン:2,706km 海王星
冥王星:2,370km 太陽系外縁:準惑星
エリス:2,326km 太陽系外縁:準惑星
…となる様です。地球の衛星:月は衛星としては上記の通り5番目の大きさですが、
衛星が周回する惑星に対しての比率として観た場合、格段に大きな数値になります。
ガニメデ・カリスト・イオ・エウロパは木星の四大衛星、タイタンは土星、トリトンは海王星…
と、これらの惑星は巨大ガス惑星です。ガニメデが木星の約1/27、タイタンが土星の約1/23
なのに比べて月の直径は地球の約1/4で、文字通り1桁違う、桁違いの規模・対比です。
水星・金星には衛星が確認できず、火星の衛星:フォボス・ダイモスは衛星ではあるものの、
そもそも球形でもないので、直径を表現するのが困難です。大きい方のフォボスで長さ27?、
小さい方のダイモスで16?…程度の様です。また、フォボスは逆行衛星です。
衛星自体の規模が大きく、母惑星に近い軌道を持つ衛星の殆どが母惑星の自転と同じ方向…
つまり、地球の月の様に順行公転しているのですが、中には海王星のトリトンの様な大きな
衛星での逆行例もあります。火星のフォボスに見られる様に衛星の質量が小さい場合では、
木星でも土星でも逆行公転の衛星は数多く存在しているそうです。
直径で言えば金星の約1万2,103kmに対して、地球は約1万2,756kmです。個体の地表を持つ
天体の範疇では、地球と金星は太陽系内で最大の規模となります。金星と地球の大気環境の
相違点は別稿でも触れましたが、それ以外でも地球と金星には大きな相違点があります。
地球の地軸の斜度が約23.4度なのに対して、金星は約177度…殆ど逆立ち状態です。
金星は約90気圧の二酸化炭素に覆われて、地表では旭日や夕日は見えないかもしれません。
仮に朝暮の太陽が確認できたとすると、177度の反転状態では、太陽は西から昇るハズです。
金星の地軸の反転は太古の大きな小惑星などによる衝突が原因ではないか?と言われます。
隣接する姉妹惑星同士ですので、地球にもメキシコ:ユカタン半島のチクシュルーブ・クレーター
に因るK-Pg境界などに代表される様な大規模隕石衝突の痕跡が確認されています。所謂…
3大隕石衝突(最大;フレデフォート・次席;サドベリー・参席;チクシュルーブ)等です。
隣接する姉妹惑星での地球との相違点に関しては諸説ある様ですが、地球地軸の安定には
大きな月の存在が挙げられるそうです。地球の自転運動に対しての錘の様な役割です。
かつて冥王星が未だ惑星だった頃、その衛星カロンは『地球⇔月』の規模を凌ぐ比率でした。
勿論、天体自体が大きく変化したのではなく、2006年8月に準惑星に再編されたからです。
冥王星の直径:約2,370?に対してカロンは1,208?で約51%…この数値は地球の衛星が
月から火星に置き換えられた様な数字です。
上記の様な比率の為、冥王星とカロンではその回転の中心が冥王星内から外れています。
かなり冥王星寄りではあっても、カロンと冥王星を結んだ宇宙空間の或る点を共通重心として
互いに回り合っている様な状態なのだそうです。SFアニメのガミラスとイスカンダル(二重惑星)
に似た配置でしょう。恒星での二連星や三連星は珍しくもない様なのですが…。