[2021年3月26日]
【SAT】と呼ばれる試験をご存知でしょうか。
非営利法人: カレッジボード が主催する標準テストの総称で、
1901年から導入されている米国の大学入学時に考慮する要素の一つです。
アメリカ合衆国では義務教育の制度を各州に任せているので、
4,500校余りの高等教育機関からなる大学評議会が標準テストを実施、
そのスコアで生徒の大学受験の合否を決定する…と言うのがSATの概要です。
他に、別団体が運営するACTがあり、この点数は米国内では
国籍/人種を問わず全ての受験生に SAT か ACT の得点が要求されるワケですが、
日本のセンターや共通テストと異なるのは、1年に数回(SATなら7回)の試験が
受けられるのが先ずは目立つ点でしょうか。
このSAT関連で興味津々な調査を行ったのがスタンフォード大学です。
シリコンバレーのほぼ中心に位置する事でも有名な米国加州の私立大学です。
同校は米国で最も入学の難しい大学とも言われています。
未就学の園児(確か…4歳児)に対して、目の前にマシュマロを1個置く実験です。
ネット上などでも割と有名な実験なのですが、その設定としては…
「目の前のマシュマロ1個をすぐもらう」か?、「20分間待って2個もらう」か?を
彼らに選択させる…というのがスタンフォード大学の調査でした。
結果としては、【1個だけもらった園児】が2/3で、【2個もらった】のが1/3でした。
研究者は彼らの追跡調査を行い、幾つかの結果:2つのグループ内での共通点…
を残してくれたのですが、それらの追跡項目の1つにSATの得点がありました。
【1個だけもらった園児】2/3のグループより、【2個もらった】1/3のグループの
点数のほうが高かったそうです。研究者はそれらの結果をストレスと関連付け、
我慢できずに1個だったグループよりも、我慢して2個のグループのほうが
ストレスにうまく対処できている…と判断している様です。
SAT得点以外の追跡項目として…中年時の肥満指数などもあったそうですが、
いかにも米国らしい実験〜追跡に至る考察です。
【やりたい事】と【なすべき事】…の優先順位がこの調査のポイントでしょう。
【自分らしさ】と【社会的な抑制】…の様な対立軸提起ではないと思います。
また、より意味深長なのは…この調査が米国で実施された点ではないでしょうか。