[2021年7月15日]
彼女(生徒本人:Hさん)を紹介されたのは、その年のGWが明けた頃でした。
Hさんを連れて来たのはO講師でした。O講師には何名かの英語指導を
お願いしていました。個別指導の業界でも分業は有効な対応手段です。
Hさんはインターナショナルスクールの卒業生でした。その年の春の受験では大学に
ご縁が無く、前年から医学部専門の予備校にも通っていたと記憶しています。
その日、Hさんは受験の後、最初に受けた直近の模試結果を持参していました。
英語の偏差値は55〜60くらいでしたが、他の数・物・化は40未満でした。
お断りしたい案件でしたが、そんな事できる訳がありません。毎週3回の予定:
数物化を各1回指導でお受けする事となりました。講師の選考も各科目が専門の
講師を調整しました。また、英語はO講師が個人的にフォロー継続となりました。
Hさんのお母様とO講師は同じ地方のご出身で、中高も一緒のご友人でした。
指導開始後2ヶ月くらい経過した頃、各教科の基礎知識不足が鮮明化しました。
数学でのビハインドは著しく、回数増(週1⇒週2)を夏期面談時にお願いしました。
そんな状態でしたので、理系三科目は9月の終盤になっても基礎ばかりでした。
∴当然の如く模試の判定は…9月・10月・11月と、例外無く(?)E判定でした。
また、Hさんは解答だけでなく、動作全般が速度感に欠ける傾向がありました。
しかし、Hさんの長所は、時間はかかっても次週にはモノにしてくる点でした。
更に、不明瞭な箇所には漏れ無く付箋が大量に貼られていて、その解説だけで
1回の指導時間が終わってしまう事もあり、とても粘り強い確実性が強みでした。
そして、12月。この年に返却される最後の模試が届きました。⇒医学部としては
上位ランク校ではありませんでしたが、Hさんを担当して初めてC判定の文字が
その紙面に確認出来ました。その紙面を前に、冬期面談の席ではお母様から…
何とか!□マリでイイから、入れて下さい…と懇願されました。
事情を知らない皆様には、或いは、かなり失礼な発言と感じられたかもしれません。
ですが、お母様ご本人が□マリ出身の医師である点には…ご斟酌をお願いします。
その面談の際に何をお答えしたかと言うと、「多分、□マリはイケルと想います。
もしかすると◇里にも届くかもしれません…」でした。思えば、大胆な発言でした。
しかし、実際に1月に戻ってきた模試では更に判定結果が向上していました。
で、最終的な結果は…□マリ:合格、◇里:合格、更に△天堂:合格で、最後は
K○大医学部に手が届きました。速度が遅くても、不器用でも…粘り強く、実直に…
生徒の状況に合った学習を積み上げれば、生徒側に合格への深い熱意があれば、
私立医科の頂点に到る事をHさんは私達に教えてくれました。