[2023年7月29日]
【メートル:ⅿ】…元々は、地球の赤道と北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧の長さの
1/10000000でした。(100000000:一億:One hundred million)
【グラム:g 】…元々は、「最大密度にある蒸留水1ミリリットルの質量」と定義されていました。
由来とされるラテン語の「grámma」は「書かれた物」や「わずかな重量」を指す言葉。
【リットル:L, l,ℓ】…語源は仏語の「litron」で、「litron」はギリシャ語及びラテン語の「litra」に由来、
英語での「litre:リーター」から日本ではリッターとも表記・発音される場合もある。
【インチ】1in:2.54cm…由来は男性の親指のつけ根の幅
【ヤード】1yd:91.44cm…手を広げたときの指先から顔の鼻先までに由来:1ヤードは3フィート
【フィート】1ft:30.48cm…元々は足のつま先から踵までの長さ:1フィートは12インチ
【マイル】1mil:約1,600m…由来はラテン語の「mille」(=1000=千)➡派生:マイルストーン
【ハロン】1ハロン:201.168m…1ハロン = 220yd = 660ft …1マイル=8ハロン
➡furlongは古英語のfurh(鋤[すき]で犂[す]く)+lang(長い)から、馬で耕された畑の畝の長さ
【間:けん】1 間 = 6尺= 約1.818 m:本来は建物の柱と柱の間を指す言葉➡60間=1町(丁)
【尺:しゃく】30.3cm…「尺」は象形文字:手の親指と人差指を広げた形とも➡派生:尺取虫
【寸:すん】3.03cm…寸は尺の10分の1:元々は男性の親指の幅
【匁:もんめ】1 匁 = 3.75 g …当初は真珠の質量を表すのに使用される単位でした
「もんめ」は一文銭の重さだった事から『文』+「目方」や「秤の目」の『目』からの呼び方とも
【カラット】1ct = 200 mg = 0.2グラム…ダイアモンドの大きさ(重さ)を計る為にギリシャ語で
ケラティオン:keration (カラット豆)という豆を重り代わりに使っっていたのが始まり
【ノット:knot】kn, kt …1ノットは1時間に1海里 (1852 m) 進む速さ…古くは船の速度を計る為、
等間隔に結んだ紐を水中に投下したが、その際の流した紐の結び目をノットと呼んだ事から
【海里:浬:nautical mile】1浬=1852 m …元々は地球上の緯度1分(1度の60分の1)に当たる長さ
【パーセント:1 %】 = 1/100…百分率《セント=C=100》➡類例:「cm=1mの百分の一」
【パーミル:1 ‰】 = 1/1000…千分率《ミル=1000》
【ppm =:parts per million】…百万分率:「百万で割った」の意➡類例:パーミル・パーセント
…などなど、幾つかの【単位】を挙げてきましたが、それらの内で結構な厄介者が【ℓ:リットル】の
様です。【1ℓ】の初期の定義は、1立方デシメートル (d㎥…d=デシ=1/10)の純水の質量でした。
国際度量衡局 (BIPM) は1立方デシメートルの純水の質量を精密に繰り返して測定しました。
しかし、条件を揃えたつもりでも、測定のたびに1ミリグラム台の差が出てしまったそうです。
1964年の国際度量衡総会では「リットルという名称は高精度の体積測定の結果を表す目的で
使用されないよう勧告する」としたそうです。これは計測精度の観点ではなく、水の密度には
多数(無数)の条件が関わっており、それらを全て調整し揃えるのは非常に難しく、単位運用に
高い精密度が要求されるケースには適していない…と言うのでしょう。
国際度量衡総会(CGPM)は質量による方針を改め、リットルは立方デシメートル(d㎥)の別名称
であると声明することを着地点とした様です。リットルは小学校の3年次前後から頻繁に登場して
くるベーシックな単位の一つですが、意外な弱点も持ち合わせていたみたいですね。
小学校のプログラムは低学年から高学年にかけて、具体的なものから➡抽象的なもの、或いは
数値的なものを把握するのに適した構成になっています。例えば、文章では観察文に始まって、
説明文〜論説文と移行していきます。これは、「観察」「説明」「論説」の並び順では、左寄りの
文章中には《事実》がより多く、右に移るほどに《意見》の展開が増してくる、という事です。
算数でも初期の量は、リットルはリットルでも、それは数えられる量になっています。1㎗のビンが
3本なら3㎗、5本なら5㎗、10本集まると1ℓ…の様に、本来は指折りでは数えられないハズの量が
指折りでも数えられる形式で語られます。
学年が進んで、小数が出てきて、分数が割って入ると、状況は変わってきます。当然の事ですが、
0.32ℓや1/16ℓなどを指折り方式で「数える」ことは一般人には無理があります。0.32ℓ+1/16ℓを
「数える」のではなく、数値として計算する抽象的な作業は、既に大人になってしまっている側が
想定しているより、ハードルが高い場面もあります。しかし「出来ない」は終着点ではありません。
大切なのは、「出来ない」はスタートラインである!…的な共感?…想像力?…でしょうか。