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Andante (アンダンテ) 
音 羽 教 室 1:1個別指導専科

[2025年5月14日]

144号:教科書:購入

過日、スタッフと室長の計3名で主に各校指定の教科書を購入してきました。取扱先で在庫が
無かった分はネット発注で…その分が割高になるのは致し方ありません。主に中学生用です。

定期考査として、各中学から出される考査対象範囲の表や指示は、教科書のページ数をもと
にした範囲指定が多いので、教科書は音羽教室にも備えた方が指導の利便性は上がります。
何校分かの教科書を、最低でも5教科分は、揃えるには…ン万円の費用が掛かります。車で
行けば、パーキング代、運搬も自力で…時間や手間を厭っていては考査結果にリンクしません。

教科書を備えておけば、「よもや・まさか・万が一」に対応できるケースも出てきます。成る程、
確かに…レアケースかもしれません。音羽教室に教科書が無くても、教室の生徒や保護者は
不満には思われないでしょう。でも、或いは‥音羽教室に教科書があることで…ひょっとしたら
安心感や安堵感を得られる折もあるかもしれない…まぁ、レアケースでしかない訳ですが‥。
音羽教室に教科書が…「あって良かった」/「無くても仕方ない」…勿論、両方経験済みです。

ここまでは中学生への対応でしたが、小学生や高校生では些か事情が異なります。大雑把に
言えば、教科書が改訂されても、小学校の履修内容に大きな変化は少なく、公立小の通知表
を視ても、成績や到達度・習熟度を把握するのは簡単ではないからです。

「通知表では能力は掴めない」…この発言に対して大別して2つの反応が想定できるでしょう。
1つ目は「通知表で成績の分らないワケが無いだろう」と、もう1つが「確かに、判らない」です。
対極的なリアクションですが、昨今の通知表の仕組みをご存じの方々の多くは「判らない」方に
一票を投じて下さるのではないか?…と拙考致します。

成績表であるはずの通知表が世評に値しないなら、基礎の知識・技術の理解を進め、練度を
上げるプロセスを採れば、中学進学後につながります。また、集団受験塾通塾中であるなら、
学校よりも集団塾の進捗フォローが一般的な対応ですから、小学校の教科書は使いません。
私立や国立の初等過程では、教科書は使いますが、独自の指導内容を持つ学校も少なくは
ありませんから、その各校「独自の指導内容」へのカバーの比重は自然と高くなります。

以前に別頁で触れましたが、高校での各校採用の教科書は一段と種類を増します。ですが、
数学や理科・社会では、教科書に出てくる順番は異なっていてもゴールは一緒です。中学で
積み上げた基礎がある程度定着しているなら、教科書へのマッチアップより、どんな参考書や
問題集を使って、どの様に進めていくのか?で、先の進路が別れると思います。

古文・漢文であれば、教科書ガイドを使う手もアリでしょう。出典が明確なら、ガイドでなくとも
対応する資料入手は比較的容易です。また、ガイド単体では単語・文法・文学史への手当が
弱くなりかねないので、そこは比較的廉価な教材で分野ごとの対処で入試を見据えます。

最も厄介なのは現代文で、最近は言語文化とか論理国語などと呼ばれている様ですが、これを
集団指導で学校別にフォローするのは物理的に不可能で、個別指導では不経済です。現文の
定期考査対策こそガイドの出番なのですが、中にはガイドが出版されていない現文の教科書も
あったりします。高校の英語と現代文の相違点は、英語ならガイドを考査対策として利用しても、
英語力の補填になる可能性は残りますが、現代文でのソレはあまり期待できない事でしょう。

英語に関しては、教科書マッチアップも手段の1つかもしれませんが、別ルートとして、非考査時
には英検などの検定試験を直近の目印として、入試本番を臨んだスケジュールも考えられます。
このルートでも、年度に5回の定期考査時直前は出題範囲に則した指導を行うこともできます。
教科書準拠指導での初見長文対応では、組み込むタイミングが良くないと、生徒のテンションを
引き下げる危うさを否定するのが中々に困難です。

ただ、英語長文読解なら、それは日本語とは異なる言語としてのフィルターが差し挟まれている
様な感覚なので、文中内容への理解に及ぼす主観の影響はある程度抑制される様なのですが、
現代文となると、その読解には主観・好悪・嗜好が跳梁跋扈してますから…もぅ、滅茶苦茶です。
推薦も含めた大学入試の現代文や課題文を、感想文の対象と区別できていない事に気付いて
いない受験生は割といます…今も昔も、多分これからも。

上述の様な(?)背景から、教科書改訂年度には、教科書とそれに対応するテキストを見直し、
必要度を検討して、揃える様にしている…と言うワケです。