[2025年6月26日]
「センチ」と「セント」…耳にする機会は多いのですが、では何が?違うのでしょう。
結論から申せば、【同じ】ものとなります。発音が違うだけで、類例(?)としては…
カード;(card)イギリス
カルテ;(karte)ドイツ
カルタ;(carta) ポルトガル
…などが挙げられるのかも?しれません。
日本ではカード・カルテ・カルタは別物ですが、母国ではどれも「厚紙」などの
ペラペラしていない紙類を指す言葉だった様です。
では、そもそも「センチ」と「セント」って、ナンなの?…と言う事になります。
センチ・セントは共にラテン語で【百】を意味するcentum(ケントゥム)に由来しています。
現在のメートル法でのセンチは【100分の1】の意味で使われています。
例えば、1センチメートルと言うのは、1mの100分の1と言う事になる訳です。
フランス語では「サンチ」と発音し、旧日本陸軍では明治初期にフランス陸軍に
その手本を求めた事もあり、旧日本軍で大砲の口径などでサンチ表示がされました。
戦艦大和の46サンチ砲、日露戦争の旅順要塞攻撃での28サンチ榴弾砲…等です。
さて、セントと言われて思い出すのは、通貨の海外の単位ではないでしょうか。
1$=100¢の比率になります。1ドルの100分の1が1セント…センチと同様です。
アメリカに限らず、基本通貨の100分の1の単位の補助通貨はユーロを初めとして、
広く世界中で流通しています。1ユーロの1/100の呼称は…ドイツではツェント、
フランスのサンチーム(またはサン)、フィンランドのセンッティ、ギリシャのレプト、
スペインのセンティモ、イタリアのチェンテジモ…これらは「EURO CENT」です。
他にもルピー・ギルダー・ランド・シリングなど…類例は世界中に散見されます。
1953年:昭和28年までは、日本でも1円=100銭が残っていました。
この他には…【%】:パーセント(百分率)も同様です。パーは「per」でセントは百です。
【per】は「毎に」とか「÷」の様な意味なので、1%=百で割る→100分の1…となります。
全体を千とするパーミル(千分率)は千で割る、万のパーミリアド(万分率)も万で割るです。
ppm(パーツ・パー・ミリオン)は百万分率なので、全体を百万で割った時の「1」つ分が1ppm。
ゴルフにもパーと言う用語がありますが、これは等しい(=par)が元になっています。
1辺の長さが1cmの立方体(サイコロ状)の容積(体積)を示す1ccもセンチの仲間です。
【cc】(シーシー)=cubic centimeter(キュービック センチメートル)で、立方センチメートルです。
上記例の様に、【単位】は計測・計量を目的として人為的に整備された体系なので、
丸暗記するより、理屈や原則から覚えるアプローチが効率的で安全かもしれません。