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Andante (アンダンテ) 
音 羽 教 室 1:1個別指導専科

[2025年7月10日]

148号:再稿…地球は丸かった?

ヒマラヤ山脈にあるエベレスト山は標高8848mの最高峰です。ところが、自転している地球では
北極・南極に比べ、赤道に近い所の方が遠心力の為、少しだけ地球の中心から遠くなっています。
地球半径は約6378?ですから、0.1%でも約6.4?=6400mの距離になる訳です。

南米:エクアドルの首都キトから南南西側の150km程にある、エクアドルの最高峰:チンボラソ
標高6268m、エクアドル共和国のほぼ中央に位置するアンデス山脈の火山で、現地の言葉では
「青い雪」を意味しているそうです。また、エクアドルはスペイン語の「赤道」に由来する国名です。

南緯約1.5度のチンボラソに対して、エベレストは北緯でほぼ28度です。赤道との位置関係の
違いは各山頂と地球中心との距離の差に反映されます。標高ではチンボラソよりエベレストの
方が約2,580m高い計算ですが、赤道付近は自転の影響で半径が大きく、海水面も高くなる為、
中心からの距離はチンボラソ:約6384km/エベレスト:約6382kmとなり…その差2km=2000m
程度はチンボラソの方が地球の中心から遠くなる…と言われている様です。

2km 程ですが、チンボラソ山頂はエベレストよりも宇宙に近い訳です。また、最も深い地点は
太平洋 マリアナ諸島の東側のマリアナ海溝で、最深部は海面下10924m…とされています。
更に視点を変えて、実測での推定値は赤道半径では約 6378.1 km 、北極〜南極間の地球の
極半径は約 6356.8 km なので、赤道半径は極半径よりも約 21.3 km 程長い事になります。

仮に、マリアナ海溝最深部を10924m➡11kmとし…
チンボラソ山頂を6268m+2000m=8268mや、エベレスト山頂の8848mを➡9kmとすると…
地球の凸凹は11km + 9km=20kmと仮定できます。また、上記の様に地球の縦と横の差は
約 21.3kmですが、これも便宜上…約20kmの差と仮定します。では、異なる推計値から観た
これら約 20km の差は地球規模のスケールではどの程度の感覚なのでしょう。

赤道部の半径:約6378kmを半径5?の円(直径:10cm)と考えると、20kmは6378kmの約 0.3%
なので、半径5?の円(直径:10cm)では、0.015678cm ➡ 約 0.16mm …の様に計算できます。
机上の計算では、直径10cm の円をノートにコンパスで描いた場合、結論として地球の凸凹は
鉛筆の芯やボールペンのインクの太さにも満たない【幅】になってしまうハズです。おそらく…
計算上での地球は丸い様なので、きっと宇宙からも丸い姿が観察できることでしょう。

さて、以下はオマケの様な思考実験…と言うより、算数程度の「円の半径と円周」の問題です。
仮に、赤道を一周する形で地表に「紐」を掛けた…とします。この紐をどこか一か所だけ切って、
そこに長さ20cm だけ別の紐を加えてみます。この20cm だけ伸びた紐は、平均して地表からは
どの程度離れる事になるでしょう?…つまり、20cm 伸びた紐と地表との距離はどの位でしょう。

今、地球の半径を【B キロメートル】として、地球の円周の長さは「直径×3.14」で、3.14をπと置くと、
2 × B × π= 【2Bπ】キロメートル…です。

20cm の長さをソコに加えると、2Bπキロメートル + 20センチメートル になります。
ここで、20cm の長さを加えてできる『仮想の円:K』の半径を【N キロメートル】とします。
仮想円:K の円周も同様に計算すると…2 × N × π=【2Nπ】キロメートル…がその長さです。
故に、【2Nπキロメートル = 2Bπキロメートル + 20 センチメートル】…が成り立ちます。
    ↓
   2Nπ=2Bπ + 20
   2Nπ=2(Bπ + 10)
    Nπ= Bπ + 10
Nπ−Bπ= 10
π(N−B)= 10
   N−B = 10 ÷ π
   N−B ≒ 10 ÷ 3.14
   N−B ≒ 3.18
よって、地球と仮想円:Kとの半径の差は約 3.18cm となり、全長で20cm 延ばされた紐は、
約 3.18cm 地面から浮く計算になります。ここで再度、円周=直径×円周率の公式を考えると…
           2Nπ=20
             N=20÷2÷π
             N≒20÷2÷3.14
             N≒3.18
結局は円周 20cm の円の半径を求める計算と何も変わらない…と言う事になります。