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Andante (アンダンテ) 
音 羽 教 室 1:1個別指導専科

[2026年4月29日]

161号: You Wish upon a Star…?

流星群や流星雨は流星が頻度高く観察される状態を指します。これは主に彗星の置き土産…
とされています。彗星の通った後やその軌道の周囲には、その彗星の名残の様な流星の素と
なる物質が細い帯状に残されており、これをダストトレイルと呼ぶ様ですが、この帯状の空間を
地球が横切ったり、近くを掠めた際に、地球の引力にひかれて母天体の残滓が地球の大気圏内
に落下しながら発光して見える…それらを流星群や流星雨と呼んでいます。

従って、素となる彗星などの母天体の軌道に残された放出物が少ない場合は流星計測数も減る
わけです。ペルセウス座流星群しし座流星群しぶんぎ座流星群…は三大流星群と呼ばれて
いますが、それらは流星群の放射点が見掛け上で当該の星座にあるだけです。ペルセウス座や
しし座・しぶんぎ座などの呼称上での星座と流星とは全くの無関係で、星空は背景に過ぎません。

上記の様に、流星は微小な天体や星間の浮遊物などが引力に引かれて大気圏に突入した際に、
上層大気が摩擦や衝突でプラズマ化して、大気が発光する現象です。地球大気の抵抗による
発熱・発火が原因で落下物自体が発光しているのではない…と言うのが昨今の理解の様です。

但し、猛烈な速度での突入ですから、落下物自体も砕け散りながらの発光は起こすみたいです。
発色は白系が一般的ですが、落下物の成分にNaが多いと黄や橙、Mgは浅緑系、Niで青緑系で、
炎色反応とは異なります。稀に高速・高温の落下時には紫や赤く見える…とする資料もあります。
流星は速度も成分も形状も一様とは言い難いので、発光色が変化する例もある様です。

1つの流星が輝いている間に願い事を3回唱えると願いが叶う…と言われたりしますが、通常では
1つの流星の発光時間は1秒±程度とされていますので、3回の詠唱とはかなり無理な命題です。
比較的大きな物体の大気圏突入に際しては、燃え尽きずに隕石として地表に達したり、大気中を
横切る様な火球状の場合は、例外として数秒以上の発光現象が目撃されるケースとなります。

ここで、大気の密度の話になります。
海面:0?を100%とした場合、上空5?での大気密度は約60%、10?では約30%、20?だと数%、
これが50?となると0.1%かそれ未満…となる様です。僅か5?とか、たった10?とか感じるかも
しれませんが、富士山は4?弱、エベレストも9?に届きません。以前にマチュピチュの遺跡を駆け
回って、酸欠になった旅人がいたらしいのですが、標高約2.5?…浅間山/富士五合目くらいです。

地球圏の大まかな区分けとしては、文字による各層別の仕切りや説明は難しい様ですが…
0〜17?を対流圏…下層大気は一般的な空気や大気として認識されるもの
17〜50?を成層圏オゾン層は25?を頂点に10〜50?範囲に存在
50〜80?を中間圏…流星が確認され易い
80〜800?を熱圏415?±に国際宇宙ステーション/オーロラは100?前後に発生
800〜10000?を外気圏…とは言いますが、ほぼ宇宙の入り口みたいな処らしい
➡概ね 、500?以下が地球大気圏として扱われることが多い様です。

凡そ、流星は地上より150?から100?程度の下部熱圏で光り始め、70?から50?の中間圏
消滅する…とされています。仮に発光の最短距離を100?−70?=30?と仮定すると、発光の
秒数が1秒なら、秒速30?が流星の速度の目安となり、当然もっと速い流星もあるでしょう。

地球の引力による重力加速度9.8m毎秒とされ、地球の公転による相対速度も影響します。
地球の公転速度秒速:約29.8〜30.6 km➡時速:約10万7千〜11万km…まさに驀進・猛進です。
流星の素体になる星間物質が単に浮遊した状態で速度がゼロの状況でも、地球は秒速30?で
移動を継続しています。また、地球は自転しています。地球の自転速度は赤道で秒速約465m
時速約1670kmで回転しています。地球の引力・公転速度・大気の状態…これらに流星の素体
となる星間物質の速度・運動方向・質量・性質…などの諸要素が絡み合い、地球の大気に突入
した際に光って見えるのが流れ星…と考えられるのではないでしょうか。

また、大気の抵抗は空気の密度にほぼ比例する様なので、高度0mを1とした時、5000m=5?で
約半分、10000m=10?では約1/3〜1/4…程度と言われます。高度100?での空気抵抗は凡そ
地面や海面の100万分の1程度が目安となる様です。

航空機が高度10000m=10?を巡行するのは、空気の抵抗を抑え、摩擦を軽減し、燃費を稼ぐ為
ですが…他方、上空1万m±には翼での動的揚力と、エンジンの燃焼に必要な濃度の大気がある
…とも言えます。流れ星は秒速30?もの速度で大気に突入するので、大気がプラズマ化している
現象です。上空100?±程の大気の密度は流星の発光にたまたま適しているのかもしれません。

…逆に言えば、大気の無い天体では発光現象は見られないことになります。例として、月面には
極めて薄い気体しか存在せず、地球の様な「大気の層」は確認されていません。宇宙空間の塵
や微小天体が月面に落ちて来ても、落下途中の中空では光らない…みたいです。そう考えると、
流れ星は地球型の大気を持った天体に特有の現象とも言えそうです。

金星の構成は地球とよく似ていますが、地表から上空が見える様な大気ではありません。更に
金星の大気は地球とは比較にならない程に濃密です。木星以遠のガス惑星では極めて重厚な
大気の層で、小天体の突入時ではフラッシュや閃光の様な現象に見える様です。流星と言うより
爆裂・飛散です。また火星の大気は地球の1%程度らしく、地球圏での様な発光は期待薄です…