[2010年5月24日]
しばらく日記をお休みしてしまいました。
今後、隔週のペースを守ろうと思います。
よろしくお願いいたします。
塾を10年もやっていると、その当時小学校高学年以上の子は既に立派に成人し、就職しています。
ここ数年一人ないし多くて二人ほどですが、「就職しました」と連絡があったりわざわざ出向いて来てくれたりします。うれしいものです。
つい一週間ほど前にも、ある人から報告の手紙をもらいました。実はその人は当時生徒ではなく、名前もすっかり忘れてしまっていた人でした。
約10年前の秋も深まってきた11月のある土曜の夜。場所は総武線飯田橋駅のホーム。
当時6年生だった彼は、所在なげにホームのベンチにうつむいて座っていました。
実は、その子の様子を見た瞬間、「あれ、ちょっとおかしいな」と思い、しばらくの時間様子を窺い、一人であることがわかったので確信しました。
うつむいた顔を覗き込むようにして「寒くないかい?」と最初に聞いた記憶があります。なぜなら、11月にもかかわらず長袖の薄手のシャツ1枚だけで何も羽織っていなかったからです。
「ちょっと寒い」 とぼそっと一言。
近くの自動販売機でホットココアとホットミルクティーを買って、ココアの方を差し出しました。ちょっと熱すぎて持てませんでした。
ほとんど会話らしい会話はしませんでした。ひたすらココアをすすり、飲み終わったところで駅員さんに連絡し、私は駅員さんに名刺を渡して男の子の頭を数回撫で、三鷹行きの電車に乗りました。
その彼からの手紙が届きました。その当時のいきさつ、忘れられないあのあったかい(熱い)ココアのこと、その後名古屋に引っ越したこと、慣れない土地での中学、高校、専門学校、そして就職のことなどが便箋5枚に渡って綴られていました。
今年のお盆休みに再会する予定です。
今度はココアではなく、ビールでしょうか。