[2019年6月23日]
勉強がそつなくできて、親の言うことをよく聞くのが、従来のいわゆる“よい子”像、“よい生徒”像でしょう。
しかし、新しい教育のもとでは、その概念や評価は変わっていくと思います。
2020年に本格的に始まる教育改革で、学校も受験もガラリと変わります。大学入試ばかりが注目されていますが、前号でも解説した通り、幼児教育から高等学校教育まで日本の教育が抜本的に刷新されます。
そこで、子どもたちに何をどう教えるか、ということ以前に、大人が、親が、教師が、まずは意識や価値観の大改革を行わないといけない、ということをひしひしと感じています。
これまでは、なんでもそつなくできたり、大人の言うことを素直に聞いたり、人から言われたことをきちんとこなしたり、といったどちらかと言うと従順で手のかからない子(少々語弊がありますが、“扱い易い子”)が評価されやすかったと思います。
ところが、少々大仰な言い方をすると、世の中が変化し、これまでの常識が通用しなくなる時代において、社会で求められる子も変わってくるはずです。
恐らく、これからの社会で活躍できるのは、言われたことをするのではなく、“主体的に生きられる子”だと思います。自分でやりたいことを見つけ、そのための力を自ら磨いていけるかどうかという、エネルギーの豊富な子でしょう。人と違ったことをやりたがったり、何か一つのことに秀でていたり、自分のやりたいことにこだわったり、それを発表したり書いたりすることが得意であったりする子。
さらには、時に大人の正論に猛反発したりする、ちょっと“やんちゃな”“尖がった” 活力に溢れる子どもたちかもしれません。
では、塾の役割はというと、やはり基礎知識・技能・学習方法を教え、盤石な学力を築き上げていくことには変わりありません。
それに加えてもう2つあります。それは、学力の大きな要素として、「思考力・判断力・表現力」と「主体的に学習に取り組む姿勢」です。
とても抽象的な概念ですが、それらをいかに引き出し、育成していくかが大きな課題であり使命だと考えています。
<野口>