[2025年5月29日]
5月の連休明けの授業の日は、休み中の楽しかった出来事の話で盛り上がり、雑談がついつい長くなってしまいます。
授業時間にかなり食い込んでしまうこともしばしばです。
でも、この雑談をとても大事にしています。
雑談は、特に言葉の学習に打って付けだからです。(理由はこれだけではありませんが・・・)
子どもたち自身の実体験に連動して新たに知り得た言葉は、机上(勉強モード)で学習した言葉と違って、生きた言葉として身に付きやすいのです。
ですから、状況をぴったり言い表せる言葉をいろいろ教えて、言葉の引き出しを増やしてあげています。
ところで、ここで話す言葉は、いわゆる「生活言語」です。
子どもたちが扱う日常会話で用いる言葉には、「生活言語」と「学習言語」があります。
「生活言語」は、文字通りのいわゆる日常の生活で使う言葉です。
例えば、
「きのう、動物園に行ったよ!」とか
「今日、運動会の練習が長かったから疲れちゃった」とか
「お母さん、もうジュースないよ」・・・とか
この様に、日常生活で使われる言葉です。
一方、「学習言語」とは、平たく言うと教科書や授業の中で使われる言葉です。
つまり、その教科で用いる用語です。
さて、話を元に戻しますと、
雑談を大事にする最大の理由は・・・
「生活言語」の語彙を少しでも増やすためです。
理由は語彙不足だけではありません。
言葉の使い方の誤りや乱れだったり、文として組み立てられていなかったりするからです。
「サル飛んでた」
「アスレチックでお尻痛かった」
「船乗って、ドボドボビシャビシャになった」
「シーって、マジやばいんだけど・・・」
<上から小4女子、小5女子、小4男子、中3女子>
こんな風に家庭語(?)で話されると、こちらの想像力が大いに試されます。
まさに、「さて、これはいったい何のことでしょうか」というクイズやなぞなぞです。
「どこで?」「どんなふうに?」「何が?」「どういうこと?」などと、何度も問い直さないと具体的な状況が掴めません。
つまり、状況や情景の説明の言葉を知らなかったり、筋道を立てて文を組み立てられなかったりするので、言葉を思いっきり省いて説明を端折ってしまいます。
「生活言語」は、机上の学習においてではなく、普段の生活で自然と身についてくる言葉です。
つまり、ご家庭における会話での、日本語として正しい言葉使いがとても大事だということです。