[2010年12月17日]
先月、4年前に仙台に引っ越したある生徒の保護者から喪中のお葉書を頂戴しました。
毎年、自分で撮ったとても素敵な風景や動物の写真を印刷した年賀状をいただいていました。
毎年その年賀状をとても楽しみにしておりましたので、少々不謹慎ですが残念でなりません。
さて、年賀状とは全く関係のない話ですが、4年前の12月の保護者面談のときにそのお母様からお聞きした話です。
当時三歳の二番目の男の子。母親の仕事の関係で、それまでお風呂には父親が入れていました。
母親と初めて一緒に入ったとき、その子はオッパイを見てそれを指さし、「おかあさんのミサイルか?」と言って、母親をびっくりさせたそうです。
当時の人気テレビアニメの影響だとのことですが、素直には笑えません。
子どもの感性や思考は、どこへ飛んでいってしまうのかわかりません。どこか寂しい、寒々とした気持ちにさせられます。
生活が豊かになった反面、都会では簡単に野山に行くこともできなくなり、自然にふれあうことが難しいため季節感も乏しく、とても多くのものを失っているような気がいたします。
ボタンを押すと簡単に結果が出る。途中経過がない、分からない。短絡的な思考になりがちな世の中になってしまいました。
また、コンピュータゲームは、仮想の世界に陥りやすく、心の機微を感じ取ることを麻痺させてしまっていると思えてなりません。
もっと、日頃から人の内なるものに目を向けさせなければならないと、思うのです。
子どもに関心のあるものを通して、子ども達にも生と死を教える必要があるのではないでしょうか。
最近の痛ましい凶悪な事件は、心情的には事件の詳細は知りたくもありませんが、敢えて直視し、「命」について真正面から向き合い、ご家族で話し合って、その尊さを改めて噛みしめていただきたいと思うのです。