[2011年9月21日]
昨日、とても近しい方のお通夜に参列しました。
白寿(99歳)で他界されました。
親類でもない私が申し上げるのも少々はばかりますが、とても温かみのあるお通夜でした。
親族の方々は、「きっと大満足だったことでしょう」 と、生前の偉業と善行を口々に称えていらっしゃいました。
お寺の住職さんも、彼岸の入りを待っていたかのような最期は、まさに今までの精進と修行の結果で、“何ともすばらしきこと” とまでおっしゃっていました。
この住職さんから、貴重な説法を伺うことができました。
「お彼岸」 についてです。
少々長くなりますが、ご紹介します。
※以下は、全てを記憶できなかったため、あとから調べた箇所もあります。
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お彼岸とは、秋分の日を中日としてその前後3日間のことです。
今年は、9月20日から26日の七日間がお彼岸です。
日本の仏教では、先祖を敬い亡き人に供養を捧げるとともに、善行を積む仏道修行に一層の精進をする期間としています。
お彼岸とは、 「到彼岸(とうひがん)」 を略して日本人の生活の習慣に定着した言葉だそうです。
苦しみや迷いに満ちた世界を 「此岸(しがん)」 といい、その苦しみを越えた永遠の悟りの世界を 「彼岸」 というのだそうです。
「到彼岸」 とは、精進と修行によって悩みや迷い(煩悩)の此岸を離れ、悟りを開いた救いの世界である彼岸に到達するという意味です。
彼岸に到達するための心構えと修行は6つあります。
布施(ふせ) ・ 持戒(じかい) ・ 忍辱(にんにく) ・ 精進 ・ 禅定(ぜんじょう) ・ 智慧(ちえ) です。
これを 「六波羅蜜(ろくはらみつ)」 と言います。
布施とは、他を憐れんで施すこと。
持戒とは、身を慎み道徳的な生活をすること。
忍辱とは、我慢し謙虚な心を持つこと。
精進とは、全力を注いで努力すること。
禅定とは、心を静めて穏やかになること。
智慧とは、正しい知恵を授かり心を磨くこと。
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これらは、いわゆる仏さまの教えですが、仏門の世界だけの話ではないことに改めて気がつきます。
国難に直面している日本。
政治の混迷、経済の低迷、教育の諸問題、などに対処するには、そして東北の復興を進める力の源は、国民一人ひとりがこの6つの心構えを自覚することに始まるのではないでしょうか。