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学研CAIスクール
中村橋教室

[2012年1月20日]

おかしな敬語

久しぶりに再会した友人と昼時に入ったお店(とんかつ屋さん)でのことです。

お店は人気店ということもあって超満員でした。
店の前には、10人以上の行列。 並ぶのを躊躇していると、店員がさっとやってきて、
 「順番にご案内していますので・・・ 失礼ですが、お名前を伺ってもよろしかったでしょうか?」 
と声を掛けられ、何となく並ぶ羽目に・・・

それにしても、変な敬語だ。 
「〜お名前を伺ってもよろしいでしょうか」 が正しい。 
いや、本当は 「〜お名前を伺ってもよろしう(しゅう)ございますか」 が正解です。
どことなく古くさく聞こえるかもしれませんが。

程なくして席に案内されました。 
注文の品を決めて店員に告げると、
「確認をさせていただきます。 ヒレカツが一つ、ロースカツが一つ、野菜巻きカツが一つ、以上でよろしかったでしょうか」 
思わず、「ハイッ、ヨロシカッタ デス」 と、ついつられてしまいました。 
二人の友人も気になったらしく、食事が来るまでの話題は、店員の “おかしな敬語” でした。

高校の推薦入試を目前に控え、まさに生徒たちの言葉遣いを徹底的に直している矢先でしたので、余計耳についてしまいました。


この店ではおかしな敬語や言葉遣いがまだまだ続きました。
ということで、ここからはクイズにしましょう。
これから店員の話す敬語や言葉遣いの間違いを直してください。

さて、ほどなくして注文したものが運ばれてきました。
 「こちらヒレカツに なります。  こちらはロースカツに なります。 野菜巻きカツ の方 は ちょっとお待ちください」 
そして、食べ終わって熱いお茶を持ってきてもらいました。 そのついでに食べ終わったお膳を下げてもらったのですが、
 「こちら お召し上がりになられました か」 と店員。
「あ〜はいっ」 と私。
丁寧過ぎる変な敬語に少々恐縮してしまいました。

店内はまだ混んでいたので、長居をしては迷惑かなと思い、お茶を飲むと早々に席を立ちました。
そして、お勘定のとき、「別々にお願いします。・・・ヒレカツです。」 と言って千五百円を渡しました。
すると「千五百円からお預かりします」 と、店員。
そして200円のお釣りをもらって店を出たのでした。


 ――― さてさて、おかしな表現は分かりましたか???

では、正しい表現に直してみましょう。
「こちらヒレカツ でございます。 こちらはロースカツ でございます。 野菜巻きカツは 少々 お待ちください」 
「こちらは召し上がりましたか」(※ 「召し上がる」 が尊敬語なので 「お」 と 「られ」 は不要です) 
最後のお勘定でのやりとりは、「千五百円 を お預かりします」 です。

いやいや、敬語って難しいですね。
これらを早速受験生に出題しました。
結果は惨憺たるものです。
都立の推薦入試まで、あと1週間。 入試の面接では、店員と客のやり取りのような場面はありませんが、はてさてしっかり応答できるでしょうか。

ガンバレ受験生!!