[2012年11月23日]
子どもたちのちょっとした振る舞いに、注意して改めさせたり、じっくり諭したり、こういうものだと、教えたりする場面が年々増えてきているような気がします。
悲しいかな・・・ 授業をちょっと中断して、礼儀やマナーなどの話をする機会が多くなってきました。
挨拶 ( 「こんにちは」 「さようなら」 ) は、どの子もよくできます。
もちろん、元気さ明るさには差はありますが、挨拶のできない子はまずいません。
しかし、同じ日常の挨拶でも、 「ごめんなさい」 「お願いします」 「ありがとう」 などが、スムーズに言える子はとても少ないのです。
また、ちょっとした気遣いや心配りが出来ない子が目に付きます。
例えば、
●使った辞書や文房具、読んだ本や学習雑誌、遊んだパズルなど、元通りに戻さない。 (片付けない)
●自分が使っていないものが片付いていなくても、知らん振りをする。
●ゴミが落ちていても拾わない。
●消しゴムのカスを集めて捨てることなくそのままにして帰ってしまう。
●トイレを汚したままにする。
●椅子を出しっぱなしにする。
●口を押さえず大きな音を出してくしゃみをする。 (謝らない)
●何かを落としたりぶつけたりして大きな音を出して周りをびっくりさせても、何も言わない。 (謝らない)
●先生が誰かを教えているとき、全く躊躇せず先生に割り込んで話しかけてくる。
●人が答えを間違えたりわからなかったりしたとき、 「え〜っ!」 と大げさなリアクションをしたり、笑ったりする。
●何かを貸してもらったとき、明るい声で 「ありがとう」 と言えない。 (頭をぺこっと下げるだけか、ぼそっと “どうも” と言うだけ)
●「ありがとう」 と言われても、顔も見ず黙っている。 ( 「どういたしまして」 が言えない)
まだまだ、細かなことを上げたらきりがありません。
これらのことは、学力以上に必要なことで、子どもに何より大切なことでしょう。
ルール・マナー・エチケットをきちんと守れる。
思いやりを持って、人と接することができる。
人にためになることを自ら進んでできる。
このような他人を思いやる真に優しい心と強くてしなやかな心が、足りないというより欠如してしまっていることに、気持ちが寒々としてきます。
前述のようなことが起きると、怒る前に悲しくなってしまいます。
指摘しても、きょとんとしていることがあるからです。
叱ってもわからない子は、自分がそうされたり、客観的に見せたりして実感させるしかありません。
一方で、自然に気配りが出来る子や思いやりのある子は、周りを気持ちよく明るくしてくれます。
場を温かく和ませてくれます。
そして、そういう子どもたちは、学習意欲や知的好奇心も高く、学力もそれに伴っているものです。
今月より、 「江戸しぐさ」 の話を始めました。
つい先日は、 「お掃除しぐさ」 の話です。
自分の使った机の所だけでなく、少し周りもきれいにしたら、気持ちがとてもよくなったようです。
「ありがとう、気持ちいいでしょう」
と言うと、
晴れ晴れとした笑顔で、 「はい!」 という元気な返事が返ってきました。