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学研CAIスクール
中村橋教室

[2012年11月30日]

3・5・7 のバランス

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公立中学校の第3回目の定期考査が先週終わりました。
中学生にとって、この第3回の定期考査は、精神的に結構辛い試験でした。
なぜならば、前回の第2回の定期考査から間もなかったことと、文化発表会やマラソン大会など大きな行事が試験直前にあったからです。
それらの大きな行事が終わったとたん、約2週間後に試験を迎えることになり、高揚したテンションを沈めて試験勉強モードに気持ちを切り替えるのが、なかなか容易ではないのです。


そもそも、中学校生活と言うものは、定期考査で結果を出すことも大切ですが、それよりも、いろいろな行事に熱中したり、結果はともあれ試験のような試練を全力で乗り越えたりしながら人間として成長していくことの方が大事なのかもしれません。


今回の試験は、学力にはあまり関係なく自分の気持ちを上手にコントロールできない子は、不本意な結果となってしまいましたが、誘惑に負けそうになりながらも何とかセルフコントロールできた子はここで急激に躍進しました。
試験は、いわゆる「精神力」が、もろに露呈してしまいます。
言うなれば、心の葛藤に打ち勝つことが出来るかどうかが、大きな分かれ目ともなってしまいます。


一方で、余裕のリラックスムードで、悠々と試験に臨む子もいます。
図太いというか、ほとんど危機感がないというか・・・
でも、こういう子の方が、いざとなるとブレずに安定し、時として豹変するのも事実です。


このように中学生は、試験の度に自分と戦いながら少しずつ成長しています。
さて、今回の試験で、いつもとはちょっと違うドラマチックな泣き笑いがありました。
実は、私の仕掛けた作戦の成功と失敗の結果でもあるのですが・・・


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定期考査前は、とにかくモチベーションアップに努めていきます。
今回は、特に意識的に演出しました。
つまり、手を変え品を変え、試験に向けて頑張ろうとする意識を高めさせ、意欲や気力をより充実させることに注力していきました。


その結果、今回の試験ではほぼ期待通りの結果を出すことができましたが、少々辛い思いをさせてしまった生徒もいました。


成績の上がった子は、ぎりぎりのところまで踏ん張り、歯を食いしばって頑張った結果、予想以上の結果を出すことができました。本人自身が一番驚くほどの大躍進です。
私としては、結果が出たことは素直にうれしいのですが、得点が上がったことよりも本人が耐え忍んで頑張れたことと、それによって自分自身に大きな自信をもたらしたことの方が大きな喜びです。
「力の限り頑張れた」 という充実感は成長を促します。これは本人にとって自分でつかんだ大きな財産となるでしょう。


また、このような頑張り屋もいれば、それとは対照的にプレッシャーの全くない状態で、自ら学習する力をひたすら引き出すことに専念した結果、取り組み姿勢が別人のようになった子もいます。


しかしその一方で、私の方が熱が入りすぎて空回りしてしまい、重圧につぶされかけ、力が発揮できないままに終わってしまった子もいたことも事実です。
これには、反省しきりです。
「押し」 のさじ加減を誤り、本人にとって過度な緊張感とオーバーワークとなってしまいました。


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さて、このような成功と失敗の差は何だったのか。
改めて指導を振り返りながら、反省しつつ検証してみました。


俗諺に「三つ叱って、五つ褒め、七つ教えて 子は育つ」 という言葉があります。
礼儀やマナーなどのしつけにおいて、なるほどとうなずける言葉です。
学習においても、この 「叱る」 「褒める」 「教える」 のこの3つの微妙なバランスが重要で、しかも、どの子も一様ではないということがポイントだと考えています。
成績に関係なく性格や特性(教科・分野の得手不得手や好き嫌い)によって、微妙に調整していくことがとても重要です。

つまり、このバランスの加減が成功と失敗の分かれ目となるわけです。

「五つ叱って、三つ褒め、一つ教えて 奮起する」 という気丈な子がいました。
「三つ叱って、七つ褒め、三つ教えて やる気出る」 という子もいました。
「一つ叱って、八つ褒め、三つ教えて 花開く」 という子もいました。
「七つ叱って、三つ褒め、五つ教えて 頭打ち」 という可愛そうな子もいました。


いずれにしても、 「褒める」 割合を適度に上げることによって前向きになり、そして、教え過ぎないことによって、自律(自立)した能動的な学習ができるようになってくることを改めて実感した定期考査対策の指導でした。


さて、ほっとしてはいられません。
来週から今度は私立中学校の期末試験が始まります。
現在、作戦遂行中です。