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学研CAIスクール
中村橋教室

[2013年5月14日]

春の色

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     「春」 という言葉から何を連想しますか?
     何を思い浮かべますか?
     何でもいいです。
     思いつくまま挙げてください。
     そう、春の言えば・・・ アレだね!
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ということで、季節毎にこのお題を与えて、遊び感覚で季節に関する知識を深めたり、感性をちょこっと刺激したりしています。
春夏秋冬、季節ごとの恒例で、国語指導の一環で行っています。
この10年余りで子どもたちの意識や感覚は大きく変化してきました。
都会で育っている子どもたちには仕方のないことでしょうか、自然に関する様々なものは、残念ながら驚くほど知りません。草花の名前や天気に関する言葉、年中行事や暦などのくらしの言葉などは、どんどん身近なものではなくなってきつつあるのは、何とも寂しい限りです。


ところで、話は少々逸れますが、英語が小学校で必修となり学校外の英語教育も熱を帯びてきています。ご多聞に洩れず当スクールでも小学生英語は人気です。
今の時代、そして今後とも英語力はますます求められていくでしょう。それは、まずは意志伝達の手段として必要な一つのツールなのです。この英語を指導していく中で常に大きな疑問にぶち当たっています。
果たしてこの子達は、外国の言葉を学ぶ前に、日本のことをどれだけ知っているのだろうか・・・と。
日本人として日本の自然や文化を伝えるには、まず日本のことを知り、そして豊かな日本語表現を身につけることが何よりも大切だと思うのです。ですから、本末転倒かもしれませんが、英語を通して日本語も改めて教えています。本来は英語の前に、日本人として日本語ありきだと思うのです。


最近とみに感じることの一つとして、学力とはあまり関係ないかもしれませんが、 「色彩感覚」 の貧困さです。
子どもたちは、ピンク、レッド、イエロー、ブルー、グリーン、ブラウン などのカタカナ英語はよく知っています。小学生で英単語のつづりを書ける子もいます。ところが、その実際の色はみな 「単色」 で、日本語表現も赤、黄色、青など絵の具やクレヨンの 「単色」 です。
桜は全てピンク、葉はグリーン、空はブルーといった具合です。中学生でも他の表現を多くは知りません。


冒頭のお題では、色を思い浮かべた生徒は皆無です。自然にある草花から連想する色彩の感覚が乏しいのかもしれません。
桜色、桃色、紅色、茜色、藤色、すみれ色、若草色、うぐいす色、萌黄 (もえぎ) 色、青緑色・・・などの和色名は多彩です。この色の表現には、自然に溶け込んで生きてきた日本人の感性が込められているのでしょう。
これらの色を口で説明してイメージさせるのは容易ではありません。例えば、菖蒲(あやめ)の色を、「明るい赤みの紫」と説明したところで、何かと重ね合わせて比較する対象物が思い浮かばないので、イメージするのがとても難しいことがわかりました。


濃い、薄い、淡い、やわらかい、くすんだ、明るい、鮮やかな、強い、暗い・・・などの形容する言葉が頭の中のスクリーンにその色を鮮明に映し出させるために、もっともっと四季折々の美しいもの見て感動して欲しいと思うのです。


さて、そろそろ夏です。ご家庭で色や香りを話題にしてみてはいかがでしょうか。



江古田の森にて

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