パソコン版を見る

学研CAIスクール
中村橋教室

[2014年1月9日]

「運動靴と赤い金魚」



年の瀬も押し詰まった12月30日。教室の掃除を例年より早く終え、正月飾りや食品などを買おうと年の市に立ち寄るも、あまりの人混みにたじろいでしまいました。昔から、通勤電車のラッシュアや、バーゲン会場がどうも苦手なのです。

年の市では何も収穫がなかったので、そのまま家路につく気が起きず、自然と足はブックオフに向かっていました。
定価で買おうと思っていた 「原発ホワイトアウト」 や他にも欲しかった本が何冊も見つかり、とてもいい気分になり2階のTSUTAYAにも久々に寄ってみました。そこで、 「運動靴と赤い金魚」 というイラン映画のDVDに出会ったのです。


この映画は、お父さんとお母さん、小学校6年生ぐらいの少年と小学校2年生ぐらいの妹が主な登場人物で、とても貧しい家庭が物語の舞台となっています。

少年アリは、修理してもらったばかりの妹ザーラの靴を廃品回収のおじさんにゴミと間違えられて持ち去られてしまいます。家が貧しいために親にも言えず、アリの一足しかない運動靴をふたりで交代に履いて学校に行かなくてはならなくなります。

のちに、ザーラは学校で年下の女の子がその靴を履いているのを見つけ、後をつけていき家を突き止めます。
その家は自分たちが住んでいる家よりももっと貧しそうでした。その後、その子のおじいさんの目が不自由であることを兄アリと妹ザーラは知ります。アリとザーラは、自分たちよりももっと貧しい人にその靴が行ったんだからいいや、とでも言うばかりに、さも当たり前のように納得して一言もとがめずにすごすごと引き返してきます。
この場面は、一言のせりふもないのですが、実に印象的なシーンの一つです。

そしてある日、小学生のマラソン大会が行われることになりました。3等の賞品は靴。アリは妹のために靴を手に入れようと出場を決意します。いよいよマラソン大会当日、アリは3等になろうと必死に走るのです・・・


私はこの映画を観て、「豊かさ」 とは、 「幸せ」 とは何だろうと、考え込んでしまいました。兄アリと妹ザーラの真剣なまなざしや満面の笑顔、そして生きる強さや真の思いやりと優しさなどに、自分に欠けている “尊い何か” を感じずにはいられませんでした。自分の甘さや呑気さ、そして “豊かだが決して豊かでない自分” に気づかされました。

是非ご覧になってみてください。