[2014年2月23日]
十数年ぶりに、当時よく食べに行っていた とんかつ屋さん に入りました。
その店は、“ちょい悪ガンコおやじ“ が経営しているこじんまりした店で、懐かしさと少々の緊張感がミックスしたワクワク気分で暖簾をくぐりました。
なぜちょい悪なのか、という話は少々長くなりますので、ここでは割愛します。
では、なぜ “ガンコおやじ” なのかというと、とにかく食べ方ひとつひとつ指図してきます。
おいしい食べ方を教えてくれる、というよりも、こう食べないとダメダと言わんばかりに食べ方を指示するのです。ですから、初めて行ったときは、妙な緊張感を覚えたものです。
すり鉢のゴマのすり方、ソースのつけ方、キャベツの千切りの食べるタイミング、極めつけが、からしのつけ方です。ご存知でしたか? からしをキャベツにのせて頂くのです。 (でもこれが美味しい)
さて、「とんかつ作法」 をあれこれ教わりながら、ふと目の前の注意書きに目をとられました。
「食事中は、漫画・雑誌・携帯・スマホ・ipad・ノートパソコンなどのご使用はご遠慮願います」 と
ガンコおやじに恐る恐る聞いてみました。
「ノートパソコンをいじりながら食べる人、いるんですか?」
「最近の人は、食べながら何かをするんですよ。一番おいしい揚げたてをすぐ食べて欲しいんだな。 こっちは一生懸命作っているから、お客さんにも一生懸命食べて欲しい。 そういう意味ですわ」
「一生懸命食べて欲しい」
ガンコおやじらしい一言です。
この言葉がやけに耳に残っています。
自分が小さい頃、祖母の家に行くと、食べ方がきたなかったり残してしまったりすると、よく叱られたことを思い出しました。
帰りの電車の中で、とんかつ屋さんの注意書きを思い出して、ふと周りを見渡すと、何と乗客の半数以上が携帯やスマホとにらめっこです。
車中では、“電車に乗ることに一生懸命” になる必要はありませんが、よくよく観察すると、かなり異様な(滑稽な)光景に見えてきます。(私だけかもしれませんが・・・・・)