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学研CAIスクール
中村橋教室

[2014年4月6日]

大物になる予感

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睡魔に負けそうになりながら必死に目を開けようと頑張る子、何とか眠気を覚まそうと鉛筆で手をつついたり、しきりに頭を振ったりする子、お構いなしに俺は寝るんだ、とばかりに腕組みをして寝入ってしまう子 (あっぱれ) 、机にゴン!と頭を打ち付ける子・・・ 若干4名ですが、こんな子どもたちが居ります。
あきれたり憤然としたりする気持ちを抑えてしばし観察すると、居眠りにもみごとに性格が表れるのだなと妙に感心し、微笑ましくさえ思えてきます。


調べてみると、居眠りのほとんどがノンレム睡眠だそうです。特徴は、深い眠りで脳も身体も休んでいる状態、身体を支える筋肉は働いている、ストレスを消去している、ホルモンの分泌をしている などです。
一方、レム睡眠は、浅い眠りで身体は深く眠っているのに、脳が活発に動いている状態、物事で目が覚めやすい、脳は働いているのでこの時目覚めるとすっきり起きられる、脳は動いているのでこの時よく夢をみる、脳を動かして記憶の固定をしている などの特徴があります。
ですから、脳が休んでしまうノンレム睡眠の居眠りは、学習には大敵だということが改めてわかります。


こんなことを知ってからは、居眠りを始めてしまった生徒は起こさずにしばし熟睡させると、レム睡眠状態になり (?) 、しばらくすると覚醒します。そうすると、意外とすんなり学習を始められるのです。これはちょっとした発見です。


数年前までは考えられませんでした。また、不思議なことに学習意欲や学力との相関は実はあまりありません。しかし、彼ら (彼女ら) に共通していることは、生活が少々乱れていることです。つまり夜更かしです。聞けば就寝は日付が変わってからという生徒も少なくありません。


かく言う私も、さすがに小中学校時代に居眠りした記憶はありませんが、高校生・大学生の時分、授業中にコクリコクリとしたものです。当時、確かに生活はかなり不規則でした。AMラジオの深夜放送が流行っていた時代です。


この居眠りですが、何と日本の特有の習慣とまで言われているそうです。電車のシートに座っている人を見ると、本を読んでいる人は少数でスマホをいじっているか寝ているかです。国の大事なことを決める議場でも国会議員が口を開けて寝ている姿をよくテレビで見かけます。この光景には、外国、特に欧米人が驚くとのことです。 (シエスタ (昼寝) ともパワーナップ (仮眠) とも違う不思議な睡眠習慣 (居眠り) を考察した、ケンブリッジ大学の文化人類学者が著した 「世界が認めたニッポンの居眠り」 (阪急コミュニケーションズ) という本があります。)


また、とある研究家によると、この居眠り文化は平安時代からあるそうで、貴族も僧侶も庶民も、みんないびきをかいて居眠りしている姿が絵巻などでも描かれているそうです。なんともまあ、微笑ましい文化なのでしょう。
現代においては絵巻ではなく、さしずめ風刺画でしょうか。でも、居眠りする国会議員には大物も多いと、あるコメンテイターがテレビで持論を語っていました。


そう言えば、一昨年有名私大のAO入試に合格したMくん。中学のときほぼオール2で、よくトイレにこもって爆睡していたのを覚えています。
大物になる予感。