[2010年2月5日]
かれこれ8年前の話です。
少年剣士のI君は、中学の剣道部では?2の実力の持ち主で、当時その中学校は都大会出場常連校でした。
中学の先輩でもあり、ある私立高校の剣道部の監督さんからの誘いを受け、その高校を受験することになったのです。中3の5月連休明けのことです。
ところが、スポーツ推薦も単願推薦も全く基準に届かないため、一般入試の実力勝負しかないと監督さんに言われました。
6月に受けた会場テストの結果では、その高校の合格基準とは18ポイントもの隔たりがあったのです。
それでも、「監督と男の約束をした」と意志は固く、それ以外は頑なに一切口を閉ざしました。
元々真面目で純粋な性格の彼は、自分を極限までどんどん追い込み、何かにとりつかれたように勉強に火がつきましたが、思うようには学力は上がらないまま中3の夏期講習を終えました。
11月にはようやく成果が出始め、偏差値も一気に8ポイント上がったのですが、そこからが困難を極めました。
そして、何としたことか正月明けに十二指腸潰瘍で入院。
完全に過度なストレスが原因でした。
その時既に学校の部活は引退をしていましたが、高校の練習に参加していたことをその時知りました。
もう一歩も後には引けない状況が彼を追い込んでいたのです。
何とか回復して退院したのは1月下旬。試験まであと2週間です。
体調を著しく壊してしまったことによって心が折れてしまうどころか、重圧と学力不足をはねのけてさらに猛進(盲進?)し、奇跡の合格を果たしたのでした。
先週、この伝説の彼から風の便りがありました。
この春から社会人1年生です。