[2014年7月24日]
夏期講習の初日。 「先生、鳩がそこにいるよ。全然逃げないんだけど・・・」 とびっくりした様子で教室に入ってきました。
見ると、外階段の手すりに一羽の鳩が確かにとまっていて、こちらをじっと見ています。
あ、あの鳩だな、と瞬間的に思いました。
もうかれこれ7〜8年前になるでしょうか。夏のお盆休みに入った初日、授業はお休みでしたが溜まっている仕事をこなすため、朝少し遅めに出勤しました。
昼過ぎ頃、入り口の扉に 「ドンッ」 と何かが当たる音がしました。生徒が間違えて来たな、と思って行ってみると・・・ しかし誰もいません。
投げたボールでも当たったのかなと扉の近くを見ると (全面ガラスなので、内側から外が見えます)、外のマットのところに、なんと鳩がうずくまっているではありませんか。
そのとき、何か黒いものが至近距離から飛び立つのが見えました。
カラスです。
鳩はカラスに追われ、逃げ場を失って扉に激突したらしいのです。
全く動いていない鳩に恐る恐る近づいてみると、急にブルブルと震えだし、私から遠ざかろうと必死に羽をばたつかせます。しかし、飛べるような状態ではありません。片方の羽を不自然に伸ばして何とも痛々しい姿です。
とにかく動物病院に連れて行こうと思い、近寄るも猛烈に抵抗して暴れます。痛さと恐怖から錯乱している様子でした。
そこで、落ち着くのを待つことにし、その後何度か様子を見ましたが、体を小刻みに痙攣させて逃げようとします。
そこで、動物病院に連れて行くのを一旦あきらめ、パンと水を近くに置き、カラスよけのために段ボールで囲いを作り、様子を見ることにしました。
そうして、翌日も、翌々日もその次の日も、同じ場所にうずくまっていました。その間、パンも水もほとんど口にしていない様子でした。
震えも多少収まり、触ることもできるまで落ち着きましたが、さてタオルでくるもうとしたとたん、猛烈に暴れてしまいます。
そこで、往診してもらおうと、動物病院に電話をしましたが、お盆休み中。そして、ふと思いついたのが動物園。何で今まで何で気が付かなかったんだろうと悔やみつつ期待感いっぱいで電話をしました。ところが、一言 「恐らくダメでしょう」 と、にべも無い。
打つ手なし、と途方に暮れてしまいましたが、しばらく、この状態でエサをやりながら回復を待つしかない、と腹を決めました。
そして、その翌日、夕方に行くと鳩がいません。さすがにあわてました。カラスにさらわれたか、と嫌な予感が頭をよぎりました。
少々暗い気持ちで、お盆休みを終え、講習を再開して数日後、外階段の手すりにとまっている一羽の鳩を、先日と同じように生徒が見つけました。
きっとあの鳩にちがいないと確信しました。そう信じたい気持ちでいっぱいでした。
それからというもの、忘れたころにその (?) 鳩がやってきます。
勝手にいい話に仕立て上げてしまっているかもしれません。
でも、今回で3回目なのです。