[2014年11月17日]
ぞうさん ぞうさん
おはなが ながいのね
そうよ
かあさんも ながいのよ
ぞうさん ぞうさん
だあれが すきなの
あのね
かあさんが すきなのよ
今年2月、104歳の生涯を閉じた、まど・みちおさんの誰もが知っている童謡 「ぞうさん」 の歌詞です。
つい、口ずさんでしまいませんか?
妹に見せるために、図書館から借りてきたこの詩の載っている絵本を3年生の女の子に見せてもらいました。
授業の冒頭、絵本に載っている詩をいくつか読み聞かせると、驚くことに、小学生は全員知っていました。
幼児の頃の記憶が蘇ってきたようです。
さて、この 「ぞうさん」
微笑ましい母子の歌なのですが、とても深い意味があります。
“おはながながいのね” は、象の鼻が長すぎることを、からい半分で意地悪をしたのです。
象の子は、この悪口に、しょげたり腹を立てたりする代わりに、一番好きな母さんも長いのよと、誇りを持って答えるのです。
それは、象が象として生かされていることが、すばらしいと思っているからなのです。
誇らしげにその悪意を消し去った小象の見事さも感じられます。
目の色が違っても、肌の色が違っても、それはすばらしいこと。
違うから、仲良くしようということなのです。
話は変わって、先日所要で新大久保界隈に行った時のことです。
ひところよりは収まってはいるらしいのですが、それでも耳をつんざくような音量で怒鳴り散らすヘイトスピーチに閉口してしまいました。
口汚く罵る様子に、品性や品格のかけらもなく、とても悲しくなりました。
また、商店の下りたシャッターには目を覆いたくなるような落書きが・・・
自分の心の荒みなど全く気付いていないのでしょう。
人のことを軽々しく平気でそしる世相なのか、と思うととてつもなく寂しくなります。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、というような感覚で理由もなく連鎖しながら増幅している憎悪が空恐ろしく思います。
こういう人たちに 「ぞうさん」 を洗脳させることができたら、どんなに平穏で思いやりのある世の中になることか。
新大久保で汚された心を浄化してくれたのが、3年生がたまたま持ってきてくれた 「ぞうさん」 の絵本でした。
感謝感謝です。
また、いい本持ってきてね!