[2015年5月2日]
子どもの創造性を伸ばすためには何が最適だろうか。
今の世の中、お金を掛ければ様々なことができるでしょう。
先日あるお母さんがおっしゃっていました。
「うちは、余裕がないので、ピアノ、バイオリン、絵などに通わせることができない。だから、うちの子はどうも創造性に欠けるようだ」 と。
これを聞いて、芸術イコール創造性、だと思い込んでいるような気がしました。
そして、能動的なものではなく、受動的なもの、つまり教えてもらい与えられるものだと、勘違いしていると思いました。
もうその時点で、ちょっとずれているのでは・・・。
大変失礼ながら、親自身に創造性が欠けているから、こんな短絡的な発想になってしまうのではないでしょうか。
思うに、創造性が一番表れるのは、時間の過ごし方ではないでしょうか。
創造性のある子どもは、高価なおもちゃがなくとも、手近なもので面白い遊びを作り出します。
また、高い入場料を払うテーマパークへ連れて行かなくとも、自宅の近所に遊び場を見つけ出したり、ボール1つあればそこで友達と楽しく遊んだりしてしまうものです。
さて、ここで私自身も実際行ってみて、これだ、と実感した場所をご紹介します。
「国立国会図書館 国際子ども図書館」 をご存知でしょうか。
国内で出版された児童書を、納本制度によって収集・管理している図書館です。
海外のものを合わせると、なんと約40万冊の絵本・児童書・子供向け雑誌・児童書関連の書物を所蔵しています。もちろん国内最大級です。
そして、大人も子供も入場無料。
場所は、上野駅公園口から徒歩約10分のところにあります。
周りには、国立科学博物館や東京都美術館、上野恩賜公園、上野動物園、などがあります。
建物はレトロで、図書館とは思えない重厚感があり、館内はルネサンス様式のゴージャズな内装です。(代表的な明治期洋風建築として、東京都選定歴史的建造物に指定されています)
また、とてもおしゃれなカフェテリア (安くて美味しい) もあり、建物の裏側は、ガラス張りのおしゃれな外観で、中庭 (テラス) ではお弁当を広げられます。
こんな素敵な図書館へ、親子で好みの本を探しに出かけてみるのはいかがでしょうか。
子どもの創造性を養うために、ここでまずは親がその手本を示して欲しいのです。
つまり、 「お金を掛けずに休日を楽しく過ごす」 という手本です。
まずは準備です。
お弁当を子どもと一緒に作りましょう。
外食ではなく、自分で食べたいものを作るのです。おにぎりでもサンドイッチでも。
そして、ペットボトルを買うのではなく、水筒に飲み物を入れて持っていきます。
準備ができたら、一路、上野へ。
1階にある 「子どものへや」 では、大勢の子どもが食い入るように本を読んでいます。
もちろん静かなのですが、熱気のようなものを感じます。
ここで、好きな本を朝から夕方で飽きるまで読むのもよし、買おうと思う本をじっくり品定めするもよし。
同じ階の 「おはなしのへや」 では、読み聞かせが開催されています。 (土日)
親子で朝から行ったら、まず 「子どものへや」 や 「世界を知るへや」 で一緒に本を読み、お昼になったら中庭でお弁当を広げ、午後になったら子どもだけ 「おはなしのへや」 へ。
子どもがお話しを聞いている間、親は2階の 「資料室」 や3階の 「本のミュージアム」 などへ。
帰りは、上野に戻るのではなく、東京藝術大学の前を通って、谷中から日暮里駅までのんびり歩いてみてください。
ここでも、お金を使わず楽しみを見つけることができるでしょう。
休日にちょっとした知的な時間を過ごすのも、いつもと違った充実感や満足感を味わえると思います。
そして、お金で買えない楽しみがあることを知ることこそ、子どもの創造性を伸ばす大切なことだと思います。