[2015年6月7日]
「もっとがんばりなさい」 など、保護者の子どもへの叱咤激励は、洗濯物をたたんだり、あいさつができたりといった生活力の向上には必ずしもつながっていない、という調査結果を、国立青少年教育振興機構が先月5月8日に発表しました。
とても興味深い調査結果だと思いましたので、簡単にご紹介します。
尚、詳しくは当機構のwebサイトをご覧ください。
国立青少年教育振興機構
「子供の生活力に関する実態調査」 報告書
http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/96/
「言葉だけではなく、親が一緒にやってみるなど具体的な体験を伴うと、子どもの力は伸びる」、と結論付けています。
趣味を一緒に楽しむなどの経験をさせるほど、礼儀やマナー、課題解決力がより身に付くという傾向が見られた、ということです。
調査は、全国の公立小学校の4〜6年生の児童と、その保護者の約8千組の回答を分析しています。
保護者には、
? もっとがんばりなさい」 「しっかり勉強しなさい」 など叱咤激励をよくするか
?趣味などをよく一緒に楽しむか
?早寝早起きや1日3食の食事など規則正しい生活を守らせているか
などを質問。
一方、子どもには、
?洗濯物をたたんだり、リンゴの皮をむいたりなど家事・暮らしの力
?近所の人にあいさつするなど礼儀・マナーの力
?コミュニケーションの力
?夜更かししないなど健康を管理する力
?トラブルに遭ったときの課題解決力
の5項目を自己評価。
叱咤激励をよくする家庭の子どもは、 「家事・暮らしの力が高い」 が、15.2%
「課題解決力が高い」 が、45.7%
叱咤激励をあまりしない家庭の子どもは、それぞれ18.9%と49.2%で、 「高い」 の割合が上回りました。
礼儀・マナーの力、健康管理の力でも、叱咤激励しない家庭の子どもの方が好結果でした。
趣味などをよく一緒に楽しみ、規則正しい生活を送らせている家庭の子どもほど、5項目の自己評価が高い結果が出ました。
趣味などをよく体験している子どもは、 「礼儀・マナーの力が高い」 が63.8%で、あまり体験していない子どもは52.9%でした。
つまり、何でも一緒に親と楽しむことが、やはり大事なのです。
勉強も例外ではありません。 「やりなさい」 ではなく、 「一緒にやろう」 なのです。
これは、常々保護者の方にお願いしています。
勉強の強は、「強 (し) いる」 と読みます。つまり、「無理にさせる」 という意味です。
学習は強いられると、気持ちよくできないのです。