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学研CAIスクール
中村橋教室

[2015年8月6日]

本当のグローバル

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先日、親戚の法事で、お寺の住職さんからとても興味深い話を伺いましたので、ご紹介します。


その住職さんは、全く住職らしくないのです。まさに豪放磊落 (ごうほうらいらく)。
恐らく袈裟 (法衣) を身に付けていなかったら、ちょうど今の季節にぴったりのサーファーに見紛うでしょう。
今年喜寿だそうです。つまり77歳。

さて、この住職さんのお孫さんが、今年プロテスタント系の私立中学に入学したのだそうです。
大反対だったのでは、と思いきや、全くの正反対だそうです。
入学式ならぬ入学礼拝から新しい生活が始まり、今では毎日聖書を読み、讃美歌を歌っているそうです。日曜日には近くの教会に行って、出席の印をもらってくるとのこと。

日本の仏教というものは、こんなにも懐が深いのかと、驚き入るほかありません。


ある若い僧侶が師父の指導で中学校・高等学校をカトリック系の学校で学んだそうです。
そして、その後で仏教を学び僧侶になりました。
これは、単なるバランス感覚とか、寛容とかを遥かに超越していると思わずにはいられません。敵対するのではなく、そこから学ぼうとする姿勢に瞠目します。


静岡聖光学院の元校長だった故ピエール・ロバート先生は、毎月身延山に参詣していたそうです。
先の住職さんが、この聖光学院で生徒たちに講演したときのこと。
「この学校を卒業して神父になったのは一人だけで、五人は仏教の僧侶になっている」 と校長先生がおっしゃったそうです。


真のグローバルとは、このような一見すると異質とも対極とも思える価値観を理解し、許容し、そこから学び取ろうとする姿勢を持つことなのでしょう。

さて、翻って、自分にこのような海容な心と学ぶ意志を持つことが果たしてできるだろうか・・・
とても恥ずかしくなってしまいます。