[2015年12月25日]
毎年のことなのですが、入試を約2ヶ月後に控えた頃に、子どもたち(6年生)は化け始めます。
もっと早く化けさせたいと思い、秋口から手を変え品を変えいろいろと仕掛けてはいるのですが、暖簾に腕押しです。
のんびりムードはなかなか払拭できず、やきもきさせられる状態がしばらく続き、あと2ヶ月しかない、という時期に入ってからようやく打った鐘が響いてきます。
(残念ながら、なかなか反応しない子もいますが・・・)
豹変する子は、その豹変ぶりがすさまじいのです。
今までとは別人のような積極性と真剣さを発揮します。
それでいて悲壮感は全くなく、前向きでやけに明るいのです。
メンタル面においては、まさに理想的です。
とは言え、12歳のまだまだ精神的に未熟な子どもです。
自分の思っていた通りにできなくて、それを自力で解決することができないだけでなく、それをうまく人に伝えることができず、どうしたらいいのかわからなくなってしまいます。
挙句に、様々な感情が入り混じって大粒の涙を流す子もいます。
でも、その涙は自分を強くしていく、とても素敵な涙なのです。
子どもたちなりに自分と正面から向き合い、頑張らなければならないことを自覚し、幼いなりの克己心をもってやるべきことをやろうとしている姿には、感銘さえ覚えます。
こういった経験は、それなりに目標に向かって今まで頑張ってきた証であり、大きな大きな成長のステップになるでしょう。
これだけを見ても、何かと功罪を問題視される中学受験において、一番大きな副産物だと思わずにはいられません。
もちろん、合格が第一の目的ですが、長い目で見たとき、その過程で培った力の方が格段にその後の人生においてプラスになるでしょう。
そんな子どもたちは、10月から取り組んでいる過去問題を今日も当日の試験さながらに、解いていました。
時間配分や、簡単な問題は必ず見直してケアレスミスを防ぐことなどが身に付いてきました。
そして、時間をかけてもできないような、つまり手を付けてはいけない問題を見極めること・・・などができてきて得点が徐々に上がってきています。
さて、答案用紙を見てびっくり。
男の子が、女子校の問題を、女の子が男子校の問題を解いてしまったのです。
これは、私の大失態。
なんと、問題用紙を取り違えて渡してしまったのです。
最後まで気が付かない子どもたちに、驚きあきれて唖然としつつ、私の大チョンボを詫びたのでした。
でも、お陰で、今まであまりお目にかかったことのない問題に取り組むことができたことは、災い転じて福となす、となればいいのですが・・・・・