[2016年5月10日]
「誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ。
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ。
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる。
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる。
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ。
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る。
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ。
やさしく思いやりをもって育てれば、子どもは優しい子に育つ。
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ。
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる。」
(ドロシー・ロー・ノルト 『子どもが育つ魔法の言葉』 から抜粋)
この文章は、家庭教育や家族関係のコンサルタントに努めた米国の教育学者ドロシー・ロー・ノルトの「子は親の鏡」と題された言葉の一部です。
10年以上前ですが、皇太子殿下がご自身の誕生日の記者会見で朗読されたことを記憶されている方もいらっしゃるかと思います
この文章の前半では、 「けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる。とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる」 など、ネガティブな関わりが、子どものマイナスな成長を助長することが記されています。
ここで掲載したのはその後半で、ポジティブな関わりが、子どものプラスな成長を促すことが述べられている箇所です。
子どもへのポジティブな関わりが、その後の子どもの成長にもプラスに影響する可能性については、アメリカでの大規模な追跡調査などからも言われています。
もちろん子どもの育ちは、周囲の環境だけで決まるものではありません。
子どもの持っている個性も大きいのです。
同じように育てたつもりでも、兄弟・姉妹によって違いがあるのは、そうした個性の違いも関係しているのでしょう。
しかし、大人としてできることは、子どもに良い環境を与えることだと思います。
それは、何か特別なものを用意したり特別な方法で関わるというよりも、親や教師の何気ない表情や振る舞いの中にあるような気がします。
教室でも、子どもたちが浮かない顔をしているときがあります。
単に、疲れているとか、お腹が空いているとか、暑い、などというようなときもありますが、何か面白くないことがあったり、どうしても納得できないことがあったり、不条理な事態が生じていたりする場合があります。
そんなとき、子どもたちに水を向けると、縷々述べ始めます。
ドキッとするような話が次から次へと口をついて出てきます。
なぜドキッとするのか。それは、親や学校の先生、つまり大人に対する不平不満や辛辣な批判がほとんどだからです。
どれもこれも全うな論理です。
不平不満の代表格は、大人の 「不機嫌」 「高圧的な態度・物言い」 そして 「不公平」 です。
子どもが語るとき、やけに事を分けて話します。
そして、自分自身の反省の弁も忘れていません。
第三者に話すからかもしれませんが、いみじくも客観的に判断できています。
さらに、子どもたちは、大人にどうして欲しいか訴えます。
「すぐ小言を言わないで欲しい」 「いつまでも不機嫌でいないで欲しい」 「いつも笑顔でいて欲しい」・・・・・
ちょっと耳が痛くはないでしょうか。
子どもは、親や先生が機嫌よくしていることが、とりわけうれしく感じるのです。
親や先生がハッピーでいることが、子どもにとってのハッピーな気持ちをもたらすと言えるでしょう。
笑顔を意識すること。
ちょっと振り返ってみてもいいかもしれません。
私自身、反省を込めて・・・