「語彙力」 を鍛えることによって、より 「豊かで正しい日本語」 を身につけ、
「論理的思考力」 を言葉で鍛えることによって、思考の土台である「物事を筋道を立てて考える力」 を身につけます。
これらによって、 「本当の国語力」 を伸ばします。
レベル | 基礎・中堅・難関 |
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目的 | 受験・補習 |
対象 | 小学生・中学生 |
科目 | 国語 |
期間 | 通年 |
授業形態 | 少人数・個別 |
実施曜日 | 月〜土 |
実施時間 | 9:30 ~ 20:50 |
クラス編成 | 少人数個別 |
教材 | オリジナル教材 |
<コースの目的> 「語彙力」 を鍛える
思考を深めていくための道具である 「言葉」 の力を強化します。
<子どもたちのハードル>
文章読解において、特に抽象的な言葉や感情語は、複数の意味があったり、微妙に意味合いが異なったりします。文章毎にどの意味が当てはまるのか、辞書の説明だけでは (用例を読んでも) 正確に掴むことは容易ではありません。
年齢相応の身近な実例を示して、噛み砕いて説明する必要があります。
また、記述や口述において、ある状況でどんな言葉を使うことが適切なのか、複数の類語と使い方を知らなければ、正しい日本語になり得ません。
これらが子どもたちの大きな壁です。 これを乗り越えるための一歩突っ込んだ学習を行います。
< “聞いたことがある” のと、 “意味がわかる” は大違い>
子どもたちは、 「正確な意味はわからない (説明できない) が、聞いたことがある」 = 「わかっている(つもりになっている)」 という安易な認識で往々にして言葉をとらえています。まずは、この認識や姿勢を一掃することから始めます。
そして、ただ言葉や言葉の決まりを知識として覚えるのではなく、 「生きた使い方」 ができるようにすることが大きな目的です。
つまり、単に知っている、意味はわかる、だけでなく 「使える言葉」 として、身につけることを目指します。
<コースの目的> 「論理的思考力」 を鍛える
論理的思考力とは、 「難しく複雑に考えること」 ではなく、 「単純化すること」 です。
その論理的思考を数字や式ではなく、言葉を使って学習します。
<筋道を立ててわかり易く>
言い換えると、 「バラバラの考えや言葉を整理し、関係づけ、シンプルにすること」 です。
そのための、筋道を立て順立てて考える考え方 (思考方法) があります。
そのセオリーを学んで練習を繰り返し、身につけます。
<国語は感覚ではなく論理で考える>
そもそも、国語に必要な学力は、学校現場や教科書で行うような、文学・韻文・古典鑑賞、朗読会や発表会、道徳的な授業などで培われる 「味わう心」 や 「感性 (センス)」 を養うことではありません。
例えば、文章読解では、主観を付け加えて 「どう思うか」 ではなく、客観的に 「何をどう書いてあるか」 という論理的に読む力です。
記述や作文でも同じです。一文の主語・述語の構成 (組み立て) から始まって、文章全体の構造を考えて文脈を整えるのが論理的に書く力です。
国語 (読解) に特に大事な観点は、 「主観ではなく客観的に見る・読む」 「具体的なものを抽象化する (要約する)」 ことです。まだ、大事な観点は幾つかありますが、まずはこの2つ観点・視点で論理的に考えていく思考こそが国語力を向上させます。
<学習内容> 「語彙力」 を鍛える
<<学習レベル>>
語彙のレベル(難易度)を8段階に分けて繰り返し学習いたします。目安として程度を示していますが、学年に関係なく習熟度に応じて学習いたします。
レベル1 : 小学校1・2年程度
レベル2 : 小学校3・4年程度
レベル3 : 小学校5・6程度
レベル4 : 小学校卒業程度
レベル5 : 中学校初級(1・2年)程度
レベル6 : 中学校中級(2・3年)程度
レベル7 : 中学校卒業〜高校初級程度
レベル8 : 高校中級程度
<<実践的な学習>>
語彙の学習は、ややもすると機械的な単純作業になりがちで、とてもつまらないものになってしまいます。漢字の書き取り練習や、単に言葉の意味を辞書で調べてノートに書き写す行為がその典型です。
このような作業的な学習ではなく、より実践的な学習を行います。
つまり、文の中で「どのように使うのか」に焦点を当てていきます。生きた言葉を身につけるためです。
もちろん、自分で辞書を引いて調べる、という学習は大前提です。しかし、それで終えてしまったら学習ではなく、単なる作業に過ぎません。次のステップこそ学習です。言葉の意味や使い方が、まだよくわからなければ、さらに深く知ろうとするために、受け身ではなく自分からアクションを起こしていくことが、今後の語彙力の向上を大きく左右します。
つまり、言葉に対していかに貪欲になれるかどうか、が大きなポイントです。
この意識が上向いていけば、語彙の学習はある程度自力で学習ができるようになるでしょう。これが理想です。
<<学習例>>
○ 文 (会話文) の空所に適語を考えたり、選択肢から選んだりして補充する
○ 与えられた言葉を使って短文を作成する
○ 間違った使い方を正しく修正する
○ ほぼ同じ意味になるように、違う言葉に書き換える
○ 言葉の結びつきや呼応関係 (副詞の呼応) を正しく記述する
○ 言葉の意味を説明する
○ 言葉の決まり (敬語、可能 <れる、られる>、〜的など) の正誤判断
など、多様な問題形式で練習します。
<<発展学習、関連学習、派生的な学習>>
○ 対義語、類義語
より多くの言葉を習得するため、対義語のある言葉は、必ず対になる言葉を調べて覚えます。
同じような意味の言葉 (類義語) は、出来るだけ多く挙げて、それらの微妙な意味の違いを学習しま
す。
これら、対義語と類義語の学習は、語彙力を劇的に上げる効果的な学習です。
○ 四字熟語、ことわざ、故事成語
この類は、子どもたちの苦手分野です。
専用のことわざ辞典や四字熟語辞典で、言葉の由来や出典、英語のことわざなども併せて学習するこ
とにより、興味を起こさせ自分で使ってみたい、という意欲を喚起します。
○ 視覚、聴覚に訴える
物の言葉であれば、写真や映像を見たり、音を聴いたりして、五感を刺激してインパクトを与えます。
(PCや図鑑など活用)
○ 理科、社会関連語句
理科や社会に関連する言葉や用語であれば、その言葉に類する分野にも踏み込むことがあります。
言葉そのものを覚えさせようとするのではなく、その背景知識を得たり興味関心を抱かせたりすること
を目的とします。
結果として、自然に身に付いてきます。
理科・社会の好きな子は、そうでない子より語彙が豊富なのは明らかです。
○ 「言葉あそび」 「言葉クイズ」 「なぞなぞ」
楽しみながら言葉をより身近なものとして意識させます。
特に都会っ子は、くらしの変化とともに、四季の自然や年中行事にまつわる言葉は、なじみが薄くなり
つつあります。
日本の自然や文化を学ぶ意味においてとても重要です。
「夏に関する言葉」 「冬に関する言葉 」などを思いつくまま挙げさせています。
子どもたちに季節感を意識させることと、柔軟な発想をトレーニングすることも目的の一つです。
(名詞だけでなく、形容詞も可としています)
10個も思いつかない子もいれば、50個以上挙げる子もいます。
<学習内容> 「論理的思考力」 を鍛える
<<日本語の仕組みと正しい用法を身につける ――文の構造――>>
○ 主語・述語・修飾語 の関係を理解する
一文を論理的に扱うための練習です。
この練習は、文章を正確に読み取ったり記述したりするために、日本語の組み立てとして、主語−述
語、修飾語−被修飾語の関係と文の構造を正確に理解することが目的です。
一文の構造を論理的に把握し、さらに言葉の規則を習得していきます。
まずは、既に書かれている文を読んで構造を分析します。 (単文から始まり、重文・複文に発展してい
きます)
次に、正しい組み立てで文を書く練習をします。
<<言葉と言葉のつながりを理解する ――文脈力を鍛える――>>
○ 接続語と指示語を極める
言葉と言葉は論理的な関係が成り立っています。
その関係を示す言葉に、「接続語」 と 「指示語」 があります。
これを押さえるのが論理的読解の第一歩です。
この論理的関係を理解し、意味を掴んでいくのが文脈力です。
指示語の学習は、指示語が指し示している言葉・句・文を見つけて、それらを当てはめ直して文意が正
しく通じるかどうか、という手順で考えます。
その思考においては、常に指示語の前後の関係や文の流れ (文脈) を考えることになります。
つまり論理的に判断する力が養われるわけです。
指示語の学習は、5段階に学習レベルを設定し、着実に習熟度を上げていきます。
接続詞の学習は、まさに文と文がどのようにつながっているか、論理展開を正確に理解する学習で
す。
接続詞の役割 (つなぎ方) としては、種類を大分類すると3つ。さらに細分化すると全部で7つありま
す。(対等の関係 : 並立、累加、対比、選択 条件と結果の関係 : 順接、逆接
文を言い起こす : 説明、転換)
これらで使われる接続詞は、約40語あります。
それぞれの意味を正確に理解したうえで、その接続詞の前後の文のつながりを正確に把握する練習
を行います。
<<論理力トレーニング ――抽象化、集合・三段論法、因果関係――>>
「論理力」 は、学校教育の学科では、主に数学 (算数) で養われます。
しかし、数学 (算数) では、数字という記号を操作することで学習を進めますので、シンプルですがどうしても抽象的になりがちです。
数字よりも、一つひとつに意味を持っている具体性の強い「言葉」 を使って 「論理力」 を身につけます。
○ 具体的なものや事柄を抽象的な言葉に言い替える
○ 「A=B、B=C、よってA=C」 を、言葉で表現する
○ 複数の一文をある条件 (時間、大小など) に基づいて正しい順に並べる
○ 真偽の判定 (論理矛盾/因果関係)
○ 複数要素の中から異なる属性を見つけ、理由を説明する
○ 要素の分類・整理と、その基準の説明
○ バラバラの文を、一つの表に整理する など
<<要約・あらすじ ――文章全体の構造と文脈をつかむ、――>>
読解力とは、要するに 「何が書かれていたか」 という問いに対して、簡潔に要約して説明できることです。すなわち、読解力は国語力そのものです。
今までの学習で得た力を総動員して学習します。
○ 一文を要約する練習
○ 二文〜三文 (30字〜150字程度) を要約する練習
説明部分や具体例などを削り落として、文章全体をこぶりにまとめる練習をします。
○ 説明的文章を要約する練習
要約するまでの筋道 (手順) は次の通りです
1.段落 (意味段落) 構成をつかむ (段落どうしの関係をつかむ)
2.各段落のキーワードを探す
3.各段落のキーセンテンス (要点) を探す / タイトルをつける
4.各段落の要点をまとめる (キーセンテンスそのままでは意味がわかりにくい場合)
5.中心段落を探す
6.要旨をまとめる
7.各段落の要点をつなぎ合わせて文章全体を要約する
物語文・随筆のあらすじをまとめる
1.文脈をおさえ、話題を読み取る
2.主題を支える題材をとらえる
3.主題をつかむ
国語力を上げる、ということは・・・
この学習を通して国語力を上げることが最大の目的ですが、
究極の期待する結果は、次の3つです。
1.自分の言葉で考えることができる。だから理解できる。
2.理解できるから、応用が利く。
3.理解しているから、覚えたことを忘れない。
これが、学力の土台です。