◆□◆ 「学習スキル」 とは ◆□◆
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== 「学習スキル」とは? ==
「学習スキル」 とは、平たく言えば 「勉強のやり方・進め方の技術」 です。
さらには、 「学習に対する健全な考え方を持つ力」 と 「やる気を自ら出す力」 などの精神的・内面的な能力が加わります。
中学生になって定期考査を経験すると、学校の授業においても家庭学習においても、学習方法を模索するようになります。
その結果、自分なりの学習の仕方が身についてきます。
言い換えると、“良くも悪くも、意識せずに自然に身についてしまう” と言った方が的確でしょう。
この 「半ば無意識的に身についたオリジナルの学習の仕方」 をより良く改善しようとする意識を持ち、効果的な学習の仕方に改めていくという取り組みです。
◆□◆ 中学生指導の根幹 ◆□◆
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== 側面的指導ながら中学生指導の根幹を成す ==
「学習スキルupプログラム」 は、直接的な教科指導ではないため、言うなれば二次的な指導です。
とは言え、学力を下支えするための基盤の部分の重要な指導として位置付けています。
その基盤の部分とは、「勉強の成果の上げ方」 「勉強ができるようになる考え方」 そして 「自らやる気を出すための方法」 など学力を上げるための根っこの部分です。
※これだけのコースや講座として行っているものではありません。
◆□◆ 気づきと行動変容 ◆□◆
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== 気づきを与え、行動変容を促す ==
指導においては、自己理解できる診断テストで自己点検し、できる限り自らを客観視して気づきを得ることから始めます。
良かれと思われることを半強制的にやらせようとしても、本人が納得してその必要性や重要性を自覚しないことには、行動変容はなかなか起きないものです。
ですから、時間は少々かかりますが、正論で説得するような指導はせず、能動的なアクションを待ちます。
つまり、内発的なきっかけ作りをして、意識改善を促し、日々の学習に中で少しずつ今までの自分の学習のスタイルを改めていこうとする意識と行動の変容をじわじわ促進します。
◆□◆ 3つの自己診断 ◆□◆
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== 3つの自己診断の繰り返し実施 ==
3つの診断とは、
「学習スキルチェック」
「学習観チェック」
「学習動機チェック」 です。
簡単な質問に対して、「はい」 〜 「いいえ」 の4段階〜5段階に当てはまる程度を答えるものです。
この3つのチェックを、年4回〜5回実施します。
行うタイミングは、基本的に定期考査の1ヶ月前頃です。
このタイミングは、学習に対して徐々に前向きに意識し始める頃で、最も効果的だと思われる時期です。
また、これらの自己診断チェックは、自分の知識を問うものではなく意識に対する診断ですので、実施したその時は自分を振り返って真剣に考えますが、特段大きな気づきを得られなかった場合、往々にしてその場限りとなってしまいます。
従って、毎回繰り返し同じ質問項目に答えることによって意識に刷り込むようにします。
◆□◆ 「学習スキル」 ◆□◆
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== 「学習スキル」 <勉強の成果を上げる基本技術> ==
●●● 「学習スキルチェック」 ●●●
学習スキルチェックの狙いは以下の3点です。
?学習スキルの視点で自分の学習の仕方を振り返ること
?学習の仕方を工夫することの大切さに気付くこと
?学習スキルを高める意識を持つこと
普段の学習の場面では、意識的にも無意識的にも様々なやり方を工夫し、技術を身に付けています。これが 「学習スキル」 です。
このどんな学習スキルを自分が使っているかを意識的に調べ、より成果の上がる学習の仕方を考えます。
チェック項目(質問)は全部で25あり、それぞれ、「はい」 〜 「いいえ」 の4段階で診断します。
●●● 「学習スキル」 の傾向分類 ●●●
この診断の結果、自分の学習スキルの傾向(大まかに5分類)を知ることができます。
A 意識化 のスキル
学習内容をより明確に意識するための方法を講じることのできる力です。
B 具体的理解 のスキル
学習内容を理解しやすくするために、抽象的な概念だけでなく具体例を考えたりイメージ化したりする力です。
C 論理的理解 のスキル
前の学習との繋がりを考えたり表や図で整理したりして、要点は何かとかどういう関係なのかなど、筋道を立てて学習内容の意味を考えようとする力です。
D 自己モニタリング のスキル
学習中は、常に自分を客観視して、何がわかったか、わかないのはどこか、常に自問自答する力です。
E 感情コントロール のスキル
勉強のやる気が高まったり、逆に結果が悪くて落ち込んだり不安になったりなど様々な感情に左右されないで、うまく対処できる力です。
●●● 「学習スキルチェック」 の振り返り ●●●
この診断の結果で自分の学習スキルの傾向を掴んだ上で、さらに自己分析へ進んでいきます。
一番高かったスキルと一番低かったスキルを確認し、それぞれについて良かった点とそうでなかった点をじっくり分析します。
この手の評価や反省は、往々にして精神論になったり、具体性に欠ける抽象的な表現の対策になってしまったりしまいがちです。
従って、欠点を見極めて改善していくことが最も求められることですが、まずは上手くいったことや頑張ったことをさらに伸ばし改善を加えていくことを目標にしていきます。
この方が、より前向きに意欲的に取り組むことができます。
その中で、少しずつ自分の改善点にも目を向けて改める努力ができるよう励ましていきます。
◆□◆ 「学習観」 ◆□◆
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== 「学習観」 <勉強ができるようになる考え方> ==
●●● 「学習観チェック」 ●●●
学習観チェックの狙いは以下の3点です。
?学習観という視点で自分の学習を振り返る
?今までの学習の考え方の問題点を自己理解する
?自分の学習観を改善する見通しを持つ
努力しても成績が上がらない、と感じる人は少なくありません。
真面目な人ほど強く感じるのかもしれません。
そもそも、「学習するとはどうすることなのか」という 「学習観」 が学習の成果を大きく左右します。
そこで、自分の持っている 「学習観」 を明らかにし、勉強の面白さや成果につながる 「望ましい学習観」 を身に付けるきっかけを掴みます。
チェック項目(質問)は全部で20あり、それぞれ、 「そうだ」 〜 「そうでない」 の5段階で診断します。
●●● 「学習観」 の傾向分類 ●●●
この診断の結果、自分の学習観の傾向 (大まかに4分類) を知ることができます。
A 理解して覚える
テストに出るからと、意味も考えずにただ単に暗記するのではなく、理解して覚えるという考え方です。
B 考える過程が大切
答えさえ合っていればいいではなく、なぜその答えなのかその答えを出す筋道が大切であるということ。
C やり方を工夫する
学習には、効果的なやり方とそうでないやり方があります。そして、勉強のできる人は総じてやり方を工夫しています。
D 失敗から学ぶ
間違えたら、そのときこそ学習のチャンスと考える。 「失敗は成功の母 (もと) 」 ということわざ通りです。
●●● 「学習観チェック」 の振り返り ●●●
この診断の結果で自分の学習スキルの傾向を掴んだ上で、さらに自己分析へ進んでいきます。
一番高かった学習観と一番低かった学習観を確認し、それぞれについて気づきを探ります。
特に、“なるほど” と感じた点を挙げていきます。
このA〜Dの4つの学習観は、全て望ましく理想とする学習観です。
子どもたちの中には、大いに勘違いをしている人も少なくありません。従って、この学習観についてはかなり咀嚼して説明を加えています。
◆□◆ 「学習動機」 ◆□◆
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== 「学習動機」 <勉強のやる気を出すには> ==
●●● 「学習動機チェック」 ●●●
学習動機チェックの狙いは以下の3点です。
?学習動機という観点で自分の学習の仕方を振り返る
?どんなときに自分は学習のやる気が出るか気づく
?学習動機を高めるために自分なりの工夫を考える
「勉強のやる気が出ない」 というのは学力や成績に関係なく誰でも持つ悩みです。
どうすればやる気が出るかは、人によって異なります。また、自分自身でもなかなか気づいていないのがこの学習動機です。
そこで、自分の 「学習動機のタイプ」 を診断します。
そして、自分に合う 「やる気の出し方」 を工夫するきっかけを掴みます。
チェック項目 (質問) は全部で36あり、それぞれ、 「そうだ」 〜 「そうでない」 の5段階で診断します。
●●● 「学習動機」 の傾向分類 ●●●
この診断の結果、自分の学習動機の傾向(大まかに6分類)を知ることができます。
A 充実志向 ―学習自体が楽しい―
知的好奇心が強く、学習の楽しさを知っているタイプです。好きな学習には積極的に取り組めます。一方、あまり興味のない教科はつい後回しになる傾向があります。
B 訓練志向 −知力を鍛えるため―
自分の能力を高めたいという意識が強いタイプです。さらに成果を上げるためには、目標を持ち計画的に学習したり、興味関心を広げ学習に面白さを見出せたりすると意欲が向上します。
C 実用志向 ―仕事や生活に生かす―
学習が実際に役立つことを重視するタイプです。ただ、自分の目的に関係のない科目や、社会ですぐ役立たなそうな科目は、やる気が出ない傾向にあります。ものの見方を広げるといいでしょう。
D 関係志向 ―他者につられて―
友達との関係を大切にし、学習も他の人がするから自分もするというタイプです。
従って、勉強好きな友達が多ければ、やる気が出て成績も上がります。
E 自尊志向 ―プライドや競争心から―
競争心を持ち、それをばねにして学習のやる気を高めるタイプです。
学習の密度を濃くし、小さな目標を立てて自分と競争することによって、さらに意欲が増します。
F 報酬志向 ―報酬を得る手段として―
何らかの利益があるときに学習意欲がわくタイプです。
学習が終わった後の自分へのご褒美を用意してから学習に取り掛かるのも。効果的な方法です。
●●● 「学習動機」 を高める作戦を考える ●●●
この診断の結果で自分の学習スキルの傾向を掴んだ上で、さらに自己分析へ進んでいきます。
発想としては、一番高かった学習動機をさらに高めてやる気を出す方法を考えることです。
それは、漠然としたものではなく、教科毎にどんな風に自分の高い学習動機を活用するのか、具体的な作戦を考えることです。
◆□◆ 最後に・・・ ◆□◆
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== 非認知能力が上がる ==
これらの取り組みは、 「勉強の仕方」 や 「学習に対する考え方・向き合い方」 など 「学習スタイル」 をより良くしていくための能力です。
つまり、教科の知識や理解能力ではなく、いわゆる非認知能力です。
非認知能力とはテストなどで数値化することが難しい内面的なスキルです。
具体的には 「目標を決めて取り組む力」 「意欲を見せる力」 「新しい発想をする力」 「周りの人と円滑なコミュニケーションをとる力」 などが含まれます。
非認知能力にはやり抜く力、自分を信じる力、自己肯定感といった自己認識や、学習志向性、やる気、集中力などの意欲、ねばり強く頑張る力といった忍耐力、リーダーシップや協調性、思いやりなどの社会的能力も含まれています。
この非認知能力が向上すると、学習面だけでなく学校での教科以外の活動や日常生活など様々な場面でのものの見方・考え方において、広く客観的な視野を持つことができるようになってくるでしょう。
非認知能力を高めることは、単に良い成績を取るためだけではなく、生涯にわたって役立つ力を育てることにつながります。