小学生英語学習の指導について
はじめに
●小学校5・6年生の必修科目としての英語
2002年から,小学校の 「総合的な学習の時間」 に多くの学校が英語を取り入れるようになりました。
また2009年より、新学習指導要領実施に伴う移行措置において小学校5・6年生は、学校判断で外国語活動として週1コマ実施されることになりました。
外国語活動においては、音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標として様々な活動を行う、というのが文部科学省の示す指針です。
●学研CAIスクールでは既に2003年から本格的指導
学研CAIスクールにおける小学英語の指導はそれらの指針と、さらに「使える英語」を求める時代のニーズに合わせて作られた教材を使用して指導を行います。
この教材は、他の教科とは違う、 「言語」 学習という英語の本質を充分考慮して編集、制作した教材で、指導方法はそれに合わせた効果的な授業手法を確立しています。
小学校の英語教育の必修化がいよいよ現実となった今、小学校中学年から少しずつ英語に親しんでおくことは非常に重要であるとの認識に立ち、指導をさせていただいております。
1.小学校における英語教育の動向
●小学校の英語教育の急速な浸透
平成16年1月、河村建夫文部科学大臣が小学校での英語教育について、 「いずれ近い将来に日本全国でと考えている」 と発言して以来、小学校に英語を正式教科として導入する動きが加速し、平成23年度の新学習指導要領全面実施において 「外国語活動」 として正式に取り入れられることになりました。
文部科学省の調査によると、全国の公立小学校の過半数が国際理解教育の一環として、 「総合的な学習の時間」 において英会話活動を既に行っています。
また、平成20年度は全国614校の英語活動等国際理解活動拠点校が指定され積極的な取り組みを行っています。
さらに、16地域の構造改革特区でも小学校で英語の授業を実施しており、研究開発学校や構造改革特区以外でも自治体独自の動きが出てきている現状を見ますと、小学校における英語教育はかなり浸透してきていると言えます。
2.中学以降の英語学習の流れ
●リスニング力重視の傾向
現在、中学の中間テスト、期末テスト、さらに高校受験の英語のテストは、そのほとんどにリスニング問題の大問が1題〜3題含まれ、問題全体に占める割合は年々高くなる傾向にあります。
大学受験英語でも、リスニング問題は積極的な導入が進められています。
英語の学習は基本的に「聞く」「話す」「読む」「書く」の4分野に分かれますが、旧態依然とした「読む」「書く」中心の文法学習に偏った英語学習では、真の英語力、実際に使える英語という観点から見てももちろんのこと、高校・大学進学のために必要な英語に限っても大きな問題があります。
リスニングの力は試験前に慌てて学習しても、一朝一夕につくものではありません。
4つの分野のうち、特に「聞く力」は小学生のうちに養っておくことが大切です。
3.小学校段階で必要な英語学習とは…
●体系的なカリキュラムと正しい指導法が必須条件
世論調査をすれば、賛否両論はあるものの小学校での英語教育を支持する声が多く聞かれます。
また、脳生理学や発達心理学などの側面からは、外国語学習は早い時期から始めたほうが有利ということがよく言われています。
しかしそのためには、きちんとした指導者とカリキュラムといった教育環境に加え、子ども自身の意欲が伴わなければ、いくら早期から始めても英語は身につきません。指導法を間違えれば、英語嫌いを増やす恐れがあるということも指摘されています。
●学研CAIスクールでは
学研CAIスクールで学ぶ「小学生英語」は、親しみやすいキャラクターたちが様々な経験を通して成長していく物語(スキット)を中心に学習を進めます。
単語練習やテキストの学習も平行して行いますが、中心となるのは画面を見ながらネイティブスピーカーの発音を聞き,発声する学習です。
スキットの学習の他にも,フォニックス(つづりと発音の関係を学ぶ学習)、アメリカで行ったロケで取材した小学生の生の声を聞くビデオ、英語の歌、ライム(マザーグースなどの詩)、英語圏の様々な文化情報など、中学英語の単なる先取り学習ではなく、小学生が興味を持って意欲的に学習できる内容です。
※カリキュラムについては、別紙資料「小学生英語 初級/上級標準カリキュラム」がございますが、
ホームページ上には公開しておりません。
郵送させていただきますので、お気軽にお問合せください。
4.小学生英語の学習効果
●中学で差がつきます
学研CAIスクールで小学生の段階から 「小学生英語」 を受講した生徒と、していない生徒の間では、その後の英語力や成績に差が出ることが確認されました。
その時期は中1の1学期または2学期頃から差が出始め、中学から英語を始めた生徒が2年生で急に成績不振に陥ることが多いのに対し、小学校から始めた多くの生徒は安定した成績を残しています。
●特にリスニング力(聞く力)に長けてきます
また、高校入試や大学入試にも取り入れられている 「リスニングテスト」 も中学から英語を始めた生徒の多くが苦手意識を持っているのに対し、小学校から学んでいる生徒の大半は聞き取りに不安を持っていません。
特に 「聞く力」 は小学生段階から養っておくことが大切です。
合わせてその後の追跡調査では、小学段階での英語学習の経験の有無が,高校に入ってからの英語力の伸び方に影響していると考えられるケースも出ています。これは、英語が他の教科とは違う 「言葉」 という側面を持つことが関係していると思われます。
小学生の段階から本物の英語に接し、親しんでおくことが、中学生になっても英語への不安を感じることなく学習に取り組めると同時に、確かな英語力の基礎を固めることができます。
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どんな教科でも、学習において大切なのことは 「学ぶ意欲」 です。
子どもたちが興味や関心を持ち、意欲的に学ぶことで身についた知識や思考力こそ 「真の学力」 です。
この 「真の学力」 を子どもたち一人ひとりが身につくよう緊密で質の高い個別指導をこれからも目指してまいります。