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春田校

[2015年12月8日]

【塾長のひとりごと】 夢も自信もありません。

こんにちは。

春田校の吉村です。

かなりネガティブなタイトルをつけてみました(笑)。

なぜなら、それが真実だからです。

塾の先生というのは、おおよそナルシストが多く、

教室のドアを閉めれば、帝国の国王気取りで生徒たちに啖呵をきる人が多いものです。

自分の生い立ちを話してみたり、持論を展開して洗脳(?)しようとしたり。

実は、私、こう見えて、それらが苦手。

というより、辟易しています。

私の人生が正解だとも言えず、

私よりも偉業を成し遂げている先人達も大勢います。

裸の大将みたいな外見でも、裸の王様にはなりたくないものです。

もともと中高生時代は勉強やスポーツが得意だった方ではなく、

大きな夢も志もなく、中途半端な人生を歩んできた私にとっては、

今の私をつくるものは何か、と問われれば、コンプレックスと即答することでしょう。

塾人の多くは高学歴でプライドが高く、否定されることが苦手なものです。

ところが、私の場合、そもそもがコンプレックスの塊なので、プライドも何もありません。

ただ、「できない自分」を自覚することで、「なりたい自分」をイメージしやすくなります。

「人間誰しもコンプレックスはある。ないということは気付いていないだけであって、

 それが一番成長の妨げになる。コンプレックスがあるから努力できるんだ。」

これは私の恩師の一人である小堀勝啓アナウンサーに言われた言葉です。

ある日、CBCの喫茶室でコンプレックスについて問うた際に、私の目をまじまじと見ながら、そう言ってくれました。

コンプレックスがあることは「悪」ではないのだ。

と気づかせてくれた大きなお言葉でした。

そして、昨年、私は茨城県の取手聖徳学園に招かれ、講演の講師を務めさせていただきました。

その際、私が生徒たちに伝えたことは、

「私が皆さんと同世代だったころ、私には夢や目標はありませんでした。

 それでもいいじゃないですか。

 自分を取り巻く多くの事象に目を向け、見聞を広めることで、自分の世界が広がる。

 その時、やりたいことが見つかるかもしれません。

 夢を持つということが最前の課題ではなく、

 まずは、夢を持てるように自分の世界を広げることが大切だと思うのです。

 目の前のことに精一杯取り組むことが大切だと思うのです。

 そうすれば、やりたいことも見つかります。

 1つ叶えれば、次にやりたいことが見つかります。

 それを叶えれば、また、次にやりたいことが見つかります。

 それが『夢を育てる』ということだと思うのです。

 夢を持たねばいけない、目標を作らねばならない、という『〜せねばならない』を捨て、

 『やりたいこと』、『やってみたいこと』に挑戦してみてください。

 目の前のことに精一杯取り組んでください。

 それを手伝うのが、私たち塾や、学校の役割だと思うのです。」

ということです。

それを聞いた生徒会長の言葉に感動しました。

「私たちは大人たちから『夢を持て』、『夢を語れないのか』と言われ続け、

 それが脅迫観念に繋がり、いつしか、夢を持てないということがコンプレックスになっていました。

 夢を持つ前に、挑戦ややりたいことに精一杯取り組むことで、

 自分の世界を広げていくことができ、いつしか夢を持てるようになる。

 そして、その夢を育てることができるというお話を聞いて、

 私はとても気持ちが楽になったように感じます。ありがとうございました。」

生徒たちが精いっぱい取り組むことができる環境。

そんな塾にしたくて、今日も尽力いたします。

私は頭が悪いから、他の塾人の何倍も時間が必要です。

毎朝8時30分から夜の10時まで、14時間ほどかけて仕事をして、

ようやく他の塾の先生たちに並ぶことができます。

「できない自分」をわかっているからこそ、時間をかけることができます。

そして、

そのような生徒の気持ちは、誰よりも理解できるのです。

要領の良い人生は合理的かもしれませんが、

要領の悪い人生の方が面白いかもしれません。