[2015年10月9日]
こんにちは。いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。昨日は、音読についてお話ししましたが、今日は、音読が脳にもたらす効果について紹介します。
音読トレーニングでこんなに脳力がアップした
実際に音読することで、どのくらい頭がよくなるのでしょうか?ここでは、小学生から高齢者まで、さまざまな年代を対象とした実験をご紹介しましょう。小学生は記憶力テストの成績が上がり、認知症の高齢者は病気が改善した、という驚くような結果が出ています。
小学生の記憶力がアップ
小学生10人に、用意した単語を2分間でいくつ記憶できるか検査したところ、平均して8.3語覚えることができました。
次に、2分間「音読トレーニング」させたあとにテストをすると、平均して10.1語の言葉を覚えることができたのです。
音読によって、脳の記憶にかかわる前頭前野のウオーミングアップが行われて、普段以上の力が発揮できたと考えられます。
大人の記憶力も10歳若返った
健康な大人にも実験してみました。平均年齢48歳の人、9人に、1〜2分で読める物語を毎日、声に出して読み上げてもらい、これを1ヶ月間続けました。
音読トレーニング後、「ひらがな言葉、記憶テスト」(P8参照)を行ったところ、トレーニング前には平均10個しか思い出せたかったのが、トレーニング後は平均14個思い出すことができるようになりました。約1.4倍、記憶力がアップしたことになります。
ちなみに、トレーニングをしていない39歳の平均が12個なので、約10歳若い人よりも記憶力がよくなっていると考えられます。
認知症の症状も改善される
アルツハイマー型の認知症患者16名を対象にした次のような実験結果もあります。音読と文字を書くトレーニングを約10分、簡単な計算問題を解くトレーニングを約10分、1週間に2〜5日、半年間やってもらいました。
その結果、トレーニングをしなかったグループ(対照群)は、認知機能、前頭葉機能、どちらも半年間でさらに下がりました。一方、トレーニングした人たちは、認知機能は維持し、前頭葉機能は上がったと報告されています。認知機能とは、理解したり、判断する力のこと。前頭葉機能とは、行動を抑制したり、言葉を作り出す力のことです。
出典:「信濃毎日新聞松本専売所WEB・こんなに能力がアップしたより