[2011年3月17日]
人は弱い一面もあるので、自分の身に降りかかる困難に心が折れてしまうこともあります。しかし、今自らが味わう苦労を、相対的に他の苦しみと比べるのなら、今ある苦痛は果たして本当に耐えがたい苦痛なのでしょうか。今一番困っている人たちが誰なのか、被災の地で避難生活を送っている方々の生活の支障を想像してみると、それだけで自分の置かれた身がどれだけ恵まれているのか気がつきます。
少々の寒さなら暖房を切るなど節電に努めることはそれほどの苦しみではありません。大停電を阻止するために計画停電の時間が長引いたとしても、生活に工夫をすれば、生きるのに何の支障もありません。
確かに未曾有の災害に見舞われましたが、こんな甚大な苦境にあっても、我々日本人はごく自然な行動として、弱者をいたわり、秩序の維持に努めます。支え合いの精神の下、譲り合い、感謝の心も忘れません。
どうしても誰もが不安を抱えずにはいられない状況でしょうが、不安の中にも光源が、「他愛を重んじる我々」一人一人の中に存在しています。日本人の心の中できらめくこの輝きが、きっと日本復興の光の源となってくれるはずです。