[2012年4月17日]
ここに何かを思う人がいるとしましょう。
どんな人であっても、人間の判断は、「直感」と「理性」、この2つの働きによって導かれます。
何となく、ある対象物を目に留めた瞬間に、直感的判断が下ります。たとえば、今食べたいのが、ハンバーガーだとか、寿司だとか。あるいは今友達と話したいから、携帯電話を手に取る場合もあるでしょう。ここに論理的思考はほとんど働いていないはずです。
これとは別に、ちょっと待てよ、この直感を止めるべきではないか、という判断を加えることがあります。直感に走りすぎたなら、後で痛い目に遭うのではないか。たとえば、ケーキを思い切り食べられるだけ食べたいという欲望があるが、この直感のみで欲望を満たしたらどうなるか。太り過ぎてしまうだろうし、糖尿病などの病気になるかもしれない。
では、理性的判断がすべて正しいかというと、決してそうではありません。人間にはひらめきという脳の働きがあります。困った問題が生じたときに、このひらめきが万事の解決へいざなってくれます。たとえば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズをはじめとした、経営のプロたちは、よく直感の重要性を説きます。
多くの場合、こうした人間の思考の冴えは、生まれながらにして備わっているものではなく、経験によってつくられていきます。優れたアスリートならば、練習と言う鍛練を重ね、実戦によって場数を踏むことで、瞬発的に判断できるようになります。
これは経験に基づく直感です。この豊かな直感力を育む支え手が、やはり理性です。計画的な練習メニューや、スポーツ科学、心理学を駆使した理性的な方法論を駆使することで、効果的に能力値を高めることができます。この積み重ねが、いずれは直感と結びつき、瞬間的に正しい判断ができるようになります。
次のような分け方もできるかもしれません。
今の幸せをかなえるのは 「直感」
未来を幸せへ導くのが 「理性」
わかっていても間違った選択をしたり、誘惑へ走りがちな直感を止められないのは、明日のことを考慮できないからです。
希望ある未来を、自らの力で創造したいと願うなら、たくみに理性を働かすことです。だからこそ、理性によって、進められる学習は、無知なる人に大いなる力を与え、いかなる誘惑をも克服させてくれます。