[2012年5月29日]
どうしても、日本人は、受験という学習期間を強く特徴づける傾向にあります。しかし果たして、人生を長いスパンでとらえたときに、受験時期を濃くするとして、受験期以外の色味を極端に薄めることは正しいことなのでしょうか。
たとえば、大学受験まで見越すのなら、高校受験で学ぶ中学英語の文法知識は不可欠です。ぜひとも、折角学んだこの英文法の知識を切らずに、むしろ基点とすることで、さらなる高校英語の学びへとつなげることを瑞々しくイメージしてください。区切らず、「つなげる」、を強調することが、学びの成功において肝心です。
どうしたって人生における経験が浅いので、眼の前のことばかりが気になり、物事をミクロの狭い視野でとらえてしまうのが学生です。日本人の多くが、周りがそうだからという雰囲気に流されやすい面もあり、ひとつの受験が終わると、学業への意識を完全に切り、そしていつかまた再開するとき、とても非効率なことにゼロからまたやり直すことになります。
もっともっと、マクロの広い視野でとらえてみることをおすすめします。受験とその後の学びを決して切ることなく、高校受験を、大学受験へつなげ、さらに、社会に出て活躍する際の思考力までつなげるとしたら、人生はどのように変わることでしょう。
いかに、学習の流れを区切らず、「つなげる」か、の大切さは、最たる例でいえば、中学受験後に痛感することです。現実的には、多くの私立の中高一貫校は、入学後のケアが行き届いているので、優れた学校では軒並み、入学当時と卒業時の偏差値が、20以上上がる学校もあります。入学時の能力値から、驚くべき学力の飛躍があり、早慶上智やGMARCHレベルの大学合格を果たす例もそれほど珍しくありません。
しかしながら、見事志望校合格を達成したものの、ここで勉強そのものに区切りをつけてしまうケースがないといったら嘘です。こうした破局的場面を迎えたなら、最も吸収力がある学生時代に、健全な思考力を育てるチャンスを失い続けることになります。これを俗に、燃え尽き症候群と言いますが、折角中学受験に打ち込み、志望校合格を獲得しても、ここで学びの意欲を切ってしまうなら、一体何のための中学受験だったのでしょうか。
本当にこれは単純なことです。もっている才能、あるいはIQの問題だけで、人生は決まらないという例です。どのように自分の人生を組み立てるか、今ある学びのひとつひとつを、簡単に切らないことです。
Divideしないことです。Connectすることです。
ひとつひとつの学びを、未来に活躍するその一点へつなげていけるか、その見通しを立てられるかどうかで、人生の浮き沈みが確かに決まります。
繰り返します。上手な学びとは、Divide区切る ではなく、Connect結びつける です。
ぜひ、Connect を──