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個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2012年7月10日]

塾・市川市本八幡の学習塾:人材の育成とこれからの教育

 日々、塾という教育現場で仕事をしていると、「ここで学ぶ子供たちの様子」と、「今の日本における教育の問題」、「これからの日本の社会構造」を、結び付けて考えることがどうしても多くなります。

 とりわけ今の時代は、いくらデフレが続いているとはいえ、テクノロジーの発達により、ものは豊かになり、食べるに困ることはありません。さらに、昔に比べて仕来りに縛られることもなく、何をしようにも個人が中心です。そういうわけで、塾を例にすれば、塾という教育現場で学ぶかどうかの選択も、子供がそれを望むかどうかが重要な材料となります。

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 何よりも、この日本は自由を認められている国ですので、公共の福祉(社会全体に共通する幸福・利益)に反しない限り、自分で選択の幅を広げるのも自由ですし、自己決定するのも自由意思に基づきます。

 とても幸いなことに、社会制度が未成熟な国ではなく、この日本という文明の発達した社会に生まれたのなら、何の束縛もなく、無数のチャンスに恵まれ、自分が望むなら、生きる限り何度もチャレンジすることができます。

 ただし、そうはいっても、どうしても個人の能力なくして、ただ運を天に任せるだけで成果を得ることはできません。未成年の期間、しっかりと学業を積むことで、「社会に出て活躍するための思考力」を養う必要があります。

 だからこそ、人材こそがその国の社会そのものであり、優れた人材が役割を演じてこそ、市場経済は豊かになるので、社会というフィールドで、出来る限りの生産力を持つプレーヤーの質と量を確保するためにも、国策として、大人になるまでの教育は相当な価値を持つことになります。

 また、この反対の状況を考えれば、優れた人材が枯渇し、自己決定もできない人材たちが集団を形成してしまえば、たちまち社会は滅びてしまいます。このような破滅的な顛末は、残念なことにどうしても日本の未来と結びつけてしまいます。やはりここ最近の、日本の政治、経済の状況を考えれば、日本人の誰もが危惧せずにはいられません。

 たとえば、7月4日に、経団連の研究機関「21世紀政策研究所」が発表したところによれば、2050年に日本の国内総生産(GDP)が世界9位に転落する可能性があるそうです。

 この分析によれば、GDPの転落において、人口の減少が最大の要因であり、ただし経済市場をアジア全体に向けることで、最悪の事態は脱することができるとしています。

 しかしながら、一番の心配は、人材です。あきらかに日本の学力レベルは劣化する一方、教育水準が向上している国々の進歩は目覚ましいものがあります。まず難しいとは思いますが、仮に人口の問題が解決したとして、教育レベルがこの先改善しなければ、社会全体の生産性が落ち、日本の市場規模は着実に縮小するでしょう。

 あるいは人口の低下が予想どおり歯止めがかからなかったら、アジア全体の大きな市場のなかで、競争していくことになりますが、いずれにしても、今の日本の教育レベルでは、人材面で、飛ぶ鳥落とす勢いで躍進する新興国に勝てるわけがありません。

 したがって、我々は、こうした未来への危惧を真摯に受けとめると同時に、自らの力で、未来に望む在るべき社会を創造しなければなりません。何にも増して、社会をつくり、社会を育てるのは、とにもかくにも、やっぱり、人材です。

 そうすると当然、教育なくして、人材は育ちません。言うに及ばず、人材なくして、社会は豊かになりませんから、何よりも優先的に改善すべきは、教育です。教育の現場にいる我々自身が、志を持ち、事を為なさなければなりません。