[2012年7月13日]
たとえば、ある高校へ進み、ある大学へ進学するとして、これが自分自身最も望む最高の選択だったとしましょう。
だからといって、万事幸せ、マックスの幸せがあるかは別です。一時的という小さな枠組みのなかにおいて、合格することで気分は良いかもしれません。
しかしながら、学生期に進む道筋はどこをたどろうが、所詮はプロセス、手段でしかありません。このような過程のなかで得られる学問の力を通し、思考技術を豊かにした末に、本質が問われます。人生における本質とは、社会に出て活躍できるかどうかその一点です。
では、自分は社会に出て何をして生きていくべきか、という問いですが、進学よりもずっと大きな問題だといえます。
とりわけ、今の時代、学生たちにとって就職は、進学よりもずっと大きな壁です。
ちなみに、就職活動において──
(1)「自分の希望する業種を固定化した学生」と、
(2)「情報が入るたびにフレキシブルに自分の希望を変化させていった学生」
──のふたつのケースを比べたいと思います。
実は後者の方が成功する割合がぐんと高いそうです。固定観念に縛られず、臨機応変に就きたい業種を変えた学生は、内定率が高く、収入が高くなるというデータがあります。彼らのほうが、仕事における満足感も大きく、その結果、自分の人生が幸せだと感じる率も高くなるそうです。
「幸福」とは、「自分がほしいものが何かわかっている状態」という心理学的定義があります。
まさに、固定観念からの呪縛を解き放つことで、思考力は豊かになり、進むべき選択肢の幅が広がることで、成功の確率も大きく伸びます。そして行き着く先に、気づいてみたら、それが最も自分が欲していた仕事だということになるのです。
自分の思考の小さな枠組みをやわらかく変えたことで、大きな幸せを手に入れるということは、案外、幸せを手に入れる最良の方法は、外界にあるのではなく、自分自身の脳のなかにあるのかもしれません。
だからこそ、自分を幸せへといざなうためにも、既成概念にとらわれず、どこまでも脳を豊かにすることです。より一層人間の頭脳を賢くするすべこそ、学問だという事実もまた決して忘れてはなりません。