[2012年8月30日]
やはり我々は現実を見なければいけません。
最近の新聞記事にありましたが、大学卒業者の4人に1人が、非正規用やニートであることが数字上明らかとなっています。別段驚くことはなく、おそらくこの数字は今後もっと悪化しても不思議ではありません。
これからの時代、教育に従事する者として、安易な教育では通用しないことを強く認識することです。ただ受験さえ切り抜けられればよいという発想など捨て、小学生から、未来へのビジョンにつなげる教育が求められるのではないでしょうか。
とはいえ、現実的には悲しいかな、まだまだ日本の学生の大半が、大学に行ってから将来を考えればよい、と軽く受け取り、将来と向き合うことを後回しにします。自分の人生なのに、自分でそれを踏んづけてしまうのです。
そして、この自分の将来を毀損する考えの根っこは深く、教育関係者もまたかつての学生時代、同じ考え方を抱いていたので、大事な将来は先送りし、漠然とした思いの中で、学業に打ち込ませようとします。
だから、この国では、これまで社会人一年目は、決して実務型の思考力を身につけてきているわけではないので、研修期間という位置づけです。仕事への慣らし運転をしながら、徐々に仕事ができるようにさせるという、社会全体の風土がありました。
ところが、終身雇用の時代は終わり、グローバリズムが進行する中、会社は即戦力を必要とします。経費ばかりかかる無能な学生を養成できるだけの余裕などありません。そうすると、人材は海外からも流入するので、国籍問わず、プランニング能力やプレゼンテーション能力に長けた人材を登用しようという流れはごく自然のことです。
さて、今ある世界の姿から逃れることなく、これからの日本の社会と真剣に向き合い、何より個人が力を持たなくてはなりません。みんなと同じが安心かもしれませんが、やがてその弱さが未来の自分を貶めることになります。強い個性を輝かせる時代に、何事も挑戦する気概が若い才能を磨きます。今取り組む学びの一つ一つを、受験を超えて、未来に活躍するその一点へつなげる教育こそ、これからの教育の形ではないでしょうか。