[2012年9月17日]
言葉は使い方を間違うと、ただいたずらに人を傷つけてしまいます。しかし、豊かなイマジネーションで出来上がった魅力あふれる言葉は、人によろこびや、好奇心、ときには感動や、生きる力まで与えます。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、言葉を操る天才で、たとえば、iPhoneのような新製品のプレゼンテーションを彼が行えば、たちまち拍手喝采となり多くの観客を魅了します。
スティーブ・ジョブズによる、iMacやiPhoneなどの商品紹介は、もはやプレゼンテーションのお手本を飛び越え、伝説の域に達しています。言葉によって、イマジネーションの奥行きを創り出す彼の手にかかれば、消費者はただ商品を買うのではなく、物語でいっそう磨かれた新商品を手に入れることになります。あくる日から、心がウキウキするような、画期的なライフスタイルまで待ち受けているかもしれません。
同じ製品を紹介するとして、それが、どの人物がプレゼンターで、どんな演出を仕掛け、どんな言葉を紡ぐかによって、全く印象が異なります。
ただ表面上なぞった定型の言葉はあまりに非力ですが、彩豊かに人間のイマジネーションを喚起させる工夫があるのなら、言葉の力とはとても絶大です。
目下、当塾にて、大学受験生の小論対策、面接対策をしていると、彼らの言葉の非力さを痛感します。推薦入試、AO入試訓練の初期段階にあると、よくありがちな、作文面接マニュアル式の言葉を操ろうと駆使するだけで、そこに生き生きとした自分の歴史や魅力あるビジョンというものがありません。活力のないのっぺりとした言葉は、まるで血が通わないロボットのようで、生身の人間の言葉が感じられません。
このままでは、大学受験を乗り越えたとしても、社会に出てきっと活躍することはないでしょう。今の時代、ホワイトカラー型の仕事は、60%コミュニケーション、40%デスクワークといわれています。そうすると、生きた言葉を操れない人間が、大学など出たって、実社会で仕事人として務まるわけがありません。
だからこそ、当塾では、大学受験生のプレゼンテーション能力の強化に努めており、その努力の甲斐もあり、入試日ともなると一定の成果が出るに至っております。
しかし、本当なら、プランニング力や、プレゼンテーション能力の必要性はもっと若いうちに知るべきです。直前の締切効果に頼る学習は、あまりに付け焼刃が行き過ぎており、本来、当塾が望む学習方針ではありません。
このような内心忸怩たる思いについては、そのままゴミ箱へポイと捨てているわけではなく、すでに、公立中高一貫校対策コースを設立することで、社会へ出て通用する人材づくりを果たそうと試みております。
おかげさまで、小6公立対策生については、2学期より土曜日学習がスタートしました。「適性検査添削教室」が行われた後、特別学習会を開催しております。
未来の才能たちに、豊かな思考の技術を付与すべく、今後の予定としては、「受信能力を高めるネタ帳学習」、「対話練習」、「チーム対抗ブレインストーミング」、「苦手科目の質問受け学習」と盛りだくさんです。
こうした思考躍動する学びの場において、いつか社会へ出て、一人の自立した仕事人へと後押しするためにも、できることなら、かのスティーブ・ジョブズばりに、あっと世界を驚かすプレゼンテーションを披露するような人材へと育てるためにも──教育者としての矜持を持ち、その責任を果たしてまいります。
あっぷの成績向上プロジェクト 成績優秀者
金賞:Sくん (本八幡校)
銀賞:Hくん (西葛西校)
銅賞:Mさん (船堀校)
*当塾成績向上委員会が、教室推薦を受けた生徒の成績を判断材料とし、厳正な審査の下、決定致しました。また学習の一助となることを願い、当塾代表より表彰し、図書券を贈呈します。