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個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2012年11月2日]

塾・市川市本八幡の学習塾:過去へ見切りを

 新聞に目を通すと、「日の丸家電苦境」という見出しが躍っています。日本を代表するパナソニックが今年度の決算で、7650億円の巨額赤字になる見通しを発表し、津賀社長は、この創業以来最悪の危機的状況に際し、「当社は今、普通の会社ではない」と表明しました。おそらく社内の危機意識を高めるための苦渋の言葉なのでしょうが、それだけ抜本解決なくして打開策とはならない境遇を物語っているのだと思います。

 深刻度で言えば負けていないのが、液晶技術の雄シャープで、最終の当期赤字を従来予想2500億円から4500億円へ下方修正するとの正式発表がありました。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と資本提携の話もありながら、株価の低迷により、経営の方向性が定まらず、混迷の一途をたどっているとの報道もあります。

 おそらくパナソニック、旧名松下といえば、20年も前のことなら、一生安泰と信じて入社するような会社で、メイドインジャパンの価値を押し上げてきた世界的な優良企業だったはずです。日本がつぶれるようなことがあっても、生き残るに決まっていると誰もが信じるブランドイメージを持つ会社でした。

 しかし、世界規模で大きなうねりをもたらすグローバリズムの時代にあって、過去は過去のことでしかありません。かつて名プレイヤーで鳴らしたからといって、今の世界の一流と戦えるものではありません

 戦後間もない頃、日本の製品、すなわちメイドインジャパンは、世界では安かろう、悪かろうの2流の製品と見られていました。しかし、高度経済成長期の波に乗り、日本の国際競争力は1位に君臨し、メイドインジャパンは高性能のイメージが定着します。一方で、この当時、市場で出回るメイドインチャイナやメイドインコリアは、低品質というレッテルが貼られていました。

 ところが、今ではどうでしょう。薄型テレビといえば、サムスン、LGの韓国勢が世界を席巻しています。中国や台湾企業の躍進は目覚ましいものがあり、昔の名選手の名前は、世界の市場から忘れ去られようとしています。

「失われた20年」という言葉は、今になって使われ始めたものではないので、きっとパナソニックやシャープの経営状態を知ったとして、決して驚くものではありません。

 ただ、こうした日本低迷の20年の間、危機的状況を意識するときは、決まって、過去の日本を思い出し、自信を回復しようという、自己肯定的論調に終始してしまいました。その間、世界全体は、ばっさり古き良き時代を切り捨て、新しい時代へと進んでいます

 もはや甘えが許されないほどの臨界点にある今、本当の意味での日本人の底力が試されています。この競争力低迷時代にあって、日本の産業全体、日本の政治とともに、教育もまた変わらなければならないと考え、その考えそのものを、他人事とするのではなく、自らに突きつけなければなりません


 
あっぷの成績向上プロジェクト 成績優秀者 
金賞:Sくん (本八幡校)
銀賞:Hくん (西葛西校)
銅賞:Mさん (船堀校)


*当塾成績向上委員会が、教室推薦を受けた生徒の成績を判断材料とし、厳正な審査の下、決定致しました。また学習の一助となることを願い、当塾代表より表彰し、図書券を贈呈します。