[2012年11月28日]
ただ今、大学入試の序章にあたる時期にあり、秋から冬にかけて、推薦入試、AO入試の真剣勝負が行われています。
ひとつ受験生への助言になりますが、スピーチ力、プレゼンテーション力が求められる試験につきましては、定型、普通、ありがちをとにかく排除することです。
多くの日本の学生たちが陥りがちなのは、皆がそうだから、自分もそうするというアンチ主体性です。
考えもせず、行列があれば、並んでみるという習性があるのが、日本人の悪しき特徴ですが、本当にあまりにも痛切に小論指導、スピーチ指導を実施すると彼らの主体性のなさを感じます。
もちろん彼らに全ての原因があるのではなく、世の中に売られている面接本、作文本があまりに型にはまりすぎてしまっていて、おそらくそれ通り真似てしまうから、つまらないプレゼンテーションになりがちです。
落ちるべくして落ちることになるでしょうし、いえ、それよりも、人生を真剣に見つめ直すこの大切なきっかけを棒に振るどころか、かえって自分の人生を劣化させてしまうことになります。
ちなみに私自身が、指導するときに、留意するのは、まず、感情です。
型にはまらず、感性をベースとして、本当に自分が夢中になれる仕事は何か問うことです。そして自分の過去を引っ張りだし、なぜそれが未来において没頭できる仕事なのか、色彩鮮やかに欲求の起源を描くことです。自分のビジョンに対して、過去の自分が責任を負う人間でなくてはなりません。
要するに、答えは、本屋の定型本にあるのではなく、自分自身にあります。自分自身の頭脳の奥深くに必ず答えが隠されています。なぜなら、自分の個性や自分の歩んだ歴史、そして自分が思い描く未来のビジョンを語るのが、作文であり、面接だからであって、自分以外の何物にもその真の答えはありません。あるわけがないのです。
しかし、フロイトの精神分析を用いるまでもなく、案外自分のことなのに、自分のことを知らないのが自分です。無意識の世界の中に、本当の自分がうずもれているので、これを引っ張り上げなくてはなりません。そのときに、理性や論理的思考力では力不足です。
出来る限り感情をフラットにせず、上手に自分の感情、情緒の抑揚「泣く」、「笑う」、「怒る」、「ひたむきになる」、「夢中になる」、「感動する」をむき出しにできるかが勝負です。感情を解き放つことで、脳の探索センサーは躍動しながら、過去の記憶の深みへ泳ぎ、確かに経験したはずの素材を拾い上げられる可能性がでてきます。
ときには泣いたり、怒ったりしながら、感情が破裂しそうになるくらいに、過去の深い世界へ自分を誘う勇気を持つことです。この作業は真に発想の貴重な源となるので、とことん前段階として、突き詰めておくことが優れたプレゼンテーションづくりの決め手となります。
また確かに自分自身だからこそ、自分を知らないことの方が多いので、親や親しい友達にリサーチすることで、外側から過去の自分へアプローチすることも大切なプロセスです。
さて、ここからすぐに、書き言葉へ移ることをしてはいけません。飛んだり跳ねたりするくらいにイマジネーションが豊かに広がるような描写は、やはり口語調ベースなので、そのビビッドな良さを活かしつつ、とはいうものの、やはり面接、書類という形式ということで、論の道筋の立て方、すなわち構成や、表現技法は整えていく必要があるので、ここからが次の作業です。
あっぷの成績向上プロジェクト 成績優秀者
金賞:Sくん (本八幡校)
銀賞:Hくん (西葛西校)
銅賞:Mさん (船堀校)
*当塾成績向上委員会が、教室推薦を受けた生徒の成績を判断材料とし、厳正な審査の下、決定致しました。また学習の一助となることを願い、当塾代表より表彰し、図書券を贈呈します。