[2012年12月9日]
ヘレン・ケラーというと、多くの人が幼少期に一度はきっと手にする伝記で知られる人物でしょう。
2歳のときに熱病に侵され、盲聾唖となりますが、この三重苦を克服し大学を卒業。世界各地を飛び回り教育家・社会福祉事業家として活躍します。
彼女の家庭教師であったアン・サリバンとの半生は、The Miracle Worker(『奇跡の人』)というタイトルで舞台化、映画化されているのでよく知られています。
ただし日本では多くの誤解を受けていますが、奇跡の人というのは、奇跡を遂げたヘレンのことではありません。英語のタイトルThe Miracle Workerを文字通り訳せば、奇跡を起こす人という意味になるので、アン・サリバンのことを指します。
ところで、ヘレン・ケラーはこんな言葉を後世に遺しています。
もし世界に喜びしかなかったら、勇気と忍耐を学びえない。We could never learn to be brave and patient, if there were only joy in the world.
この言葉から、彼女は自分のハンディキャップを肯定的に受けとめていることがわかります。
苦難があるからこそ、人にとって最も大切な力を得るのかもしれません。
受験生の子供たちに、この言葉を贈り、ぜひとも受験を経ることで、勇気と忍耐を養ってほしいと願います。