[2012年12月17日]
【本八幡教室情報 受験対策月間】
受験相談会実施(公立入試内申点基準 併願優遇 塾推薦等説明) 12月22日(土曜日)まで
過去問対策学習会スタート! 12月から
前評判通り、自民圧勝の選挙結果となり、すでに野田首相は代表の辞任を表明しています。今回の選挙の状況を見るに、田中真紀子文部科学相や菅直人前首相、仙谷由人元官房長官といった民主党のビッグネームがばたばたと小選挙区で敗戦する様子は少々痛ましくもありました。華々しく政権交代を果たしたかつての勢いはもはや民主党にはなく、ともすると二大政党時代に終止符を打つ選挙戦となったのかもしれません。
考えてみれば、この国には問題が山積しています。不況対策に、雇用問題、被災地の復興に、原子力発電の問題、それにTPPなど、早期に解決しなければならない多くの案件がありますが、今回ほど、政策の具体策が争点にならなかった選挙も珍しいのではないでしょうか。
おそらくそれだけ民主党政権への期待値が高かったからなのでしょう。この裏切られた思いは、行き場がなくなり、消去法で自民へ流れるか、あるいは、投票しないという選択をとるしかなかったのかもしれません。
何よりも、今回の投票率の低さは、民主党がもたらした国民の政治不信そのものであり、その意味では、投票しないという選択は、政治家たちへ一定の威力をもたらすのでしょうが、やはりそうはいっても政治へのボイコット行動は、民主主義を放棄することを意味してしまいます。
もしも政治への関心がありながら、断腸の思いで、投票をあきらめるよりないのなら別かもしれませんが、残念ながら、この国には、ただ他人事と切り捨てる形で、選挙権の行使をためらう人たちがいます。
また本当は生活力があるのに、不正に生活保護を受ける人たちもいます。さらにいえば、国の将来の財政状況を考え、年金の支払いを拒み続ける人たちもいます。
しかし、やはり、社会とは支え合いの場です。
人間一人がこの世に生を受けたとき、あまりに無力です。何も持たぬ裸の状態で、何の判断力もなく泣いて訴えるしかできないのが人間の始まりです。決して一人では生きられないこのあまりにも弱き人間に対して、社会は無下に放置しません。親と言う大人がこれを育て、あるいは別の大人たちが税金を納めることで、教育制度や社会福祉制度、公共施設を充実させることで、しっかり支えていきます。
人間だれしもが、生まれてきた時代があり、無力だった時代を経てきているので、今大人として一人前の自負あるなら、社会によって生かされてきたことを謙虚に受けとめる必要があります。
本当のことをいえば、何かの特権を得て、自分たちの恣意でルールをつくり、利益誘導を図る人間たちがはびこることに対して、強い怒りを覚えます。
しかし、だからといって、政治に参加しないサイレント・マジョリティとなる選択は間違いではないでしょうか。本当に改善を願うのなら、参政権を行使するよりありません。
また、もしかしたら、自分が老人になったときに、国の財政が破たんし、年金が下りないかもしれないからと、年金制度に協力しないのは、あまりに相互扶助の精神が欠落しています。
私利私欲、利己主義、肥大した自我にまみれ、権利意識ばかり広がってしまえば、たちまち民主主義は終わってしまいます。
ですが、この心配とは裏腹にこの国にはまだまだ強い絆、弱者を守る強き精神が宿った国だと信じます。昨年の311東日本大震災に遭遇したことで、確かに今なお東北地方の惨状を見ればこそ、失ったものの大きさを知ります。その一方で、ボランティアや募金活動を通し、支える側に回った人間たちがいたのは、大いなる救いです。
もちろん一個の人間として独り立ちすることの大切さは言うに及びませんが、自分の幸せのみを追求してよいものではありません。何といっても、未来の先に、社会に出て活躍するということは、支えられる側から支える側に回ったことを意味し、社会的に弱い者たちを助けていかなければなりません。
教育の価値をはかるなら、「社会を支える優れた人材」を生み出してこそ、その義務を全うするはずです。そして、教育こそが、健やかに人の精神を育てることで、「他人の幸せから自分の幸せを得る力」を生み出します。
自分が喜ぶより、誰かが喜ぶ姿を喜べるほうが生きざまとしてきわめて凛々しく、美しい生き方がここにある──と強く信じます。