[2013年5月6日]
本日5月6日(月)は連休最後の日ですが、一足早く当塾本八幡校の授業がリスタートします。一週間ほどの休暇を経たことで、心身ともにリフレッシュできたのではないでしょうか。
──ということで、さあ、今日から全力学習です。
そろそろ新しい教科書のにおいにもなじみ、きっと新年度のライフスタイルにもなれてきた頃でしょう。この時期陥りやすい五月病などものともせず、思う存分、知的好奇心をくすぐり、自分の夢に向かって、真剣に学習を愉しむこと、この一点に尽きます。
さて、前日5月5日(日)はこどもの日でしたが、日本中の注目を集めたのは、松井秀喜氏の引退セレモニーと国民栄誉賞表彰式だったのではないでしょうか。松井氏による引退の挨拶は、輝かしいプレーの陰に隠れていた姿を吐露するものでした。ジャイアンツの4番バッターを任されたその誇りと責任のために、恩師の指導を受けながら、毎日が練習と努力で費やされたと言います。ここに氏の誠実さと謙虚さが集約されています。きっとこの人がらが大いに人を魅了し、多くの人の心を引き寄せるのでしょう。
松井氏には、いつも他人がいます。自分を支えるファンがいて、チームメイトがいて、心から尊敬する恩師がいます。もちろん、一人の偉大な選手であることは殊更強調するまでもないですが、それだけではない大切な何かがあります。
一つのことに夢中になり、我武者羅に打ち込むことで得られるものは、おそらくひとつだけではないのでしょう。その人間のひたむきさ、真摯さこそが、大きく人の器を育てるのではないでしょうか。何よりも時間をかけて、純度の高い情熱によって象られる人間力が、多くの人間の心を虜にするのでしょう。
ここに教育のヒントがあるような気がします。とかく人は派手なプレイに目を奪われがちですが、実は華やかさの裏側にある、気高き世界が、最高の感動を呼ぶのではないでしょうか。
かつて松井少年は、野球を選びました。そして一流のプレイヤーとして野球史にその名を刻みましたが、きっと野球だけが特別なのではありません。
この世の中にはたくさんの仕事があります。どの仕事にも一流のプレイヤーがいて、一流になるための、学びの過程があるのだと思います。何を志すかは、最も自分が、その学びに夢中になれるものです。
いつか子供は、大人になります。大人になるために、いくつかの選択を通して子供の時期を過ごさなければなりません。本気になって、なりたい自分を目指すなかで、とことん人間力は磨かれ──ゆくゆくは人に愛され、人に信頼される人間になるのではないでしょうか。