[2013年5月12日]
もしも、受験学年を迎えた受験生であるなら、ぜひとも尋ねさせてください。
これまで、何かに全力で取り組んだことがあるでしょうか。
どんなことでもよいです。何かに夢中になったことはあるでしょうか。
部活が良い例かもしれません。サッカーやテニス、あるいは吹奏楽の練習に全精力を傾けたことはないでしょうか。
小説を読むとか、または、漫画でも、映画でも、ドラマでも、没頭してその世界にはまり込んだことはないでしょうか。
折しも、修学旅行の時期です。無我夢中で新しく見るものに心を浮き立たせはしないでしょうか。観光名所をあれこれ見てまわり、それを思い切り楽しみ、友人たちとともに心に残る思い出を残してくれるでしょう。
ちょうど今時分は、学校によっては運動会の季節かもしれません。仲間とともに一生懸命練習し、運動会開催の日に、ムキになるくらい勝負ごとに魂を込めたことはないでしょうか。勝てば心から喜び、結果がふるわなければ、奥歯を噛みしめて悔しがるかもしれません。うれしがるのも残念がるのも、きっとそこに心を強く込めたからに違いありません。
もしも何かひとつでも、どんなに小さなことでも、熱中した経験があるのなら、その人は別の何かにも執心できるはずです。
その人が受験期を迎えたとしたら、受験学年一年、学習に注力できるに決まっています。
今まさに、期末試験へ向けテスト対策学習に打ち込む時期です。本校生徒たちは、受験生を中心にこぞって教室に集まり、テストの対策に本気で臨んでいます。担任講師とともに、科目ごとの目標点数を設定し、その目標に到達しようと、計画的な学習を推進しております。
どんな些細なことであっても、手を抜かず、渾身の力を発揮できる人に育ってほしいと、子供たちには心から願います。ましてや、学生の本分である学業であるのなら、本気の度合いは比較にならないでしょう。
いずれ、子供たちは大人になり、社会へ巣立ちます。社会に出るということは、いっぱしに仕事を持ち、社会の中で役割を担うということです。
社会に出るまでの準備期間が、今ある学生時代です。今取り組むべき学業の先にこそ、将来の自分が愛着すべき仕事があります。
学生時代より長い時間、仕事中心の生活が待っています。自分が心から愛し、没頭できる職業に就きたいと思うのなら、学業への魅力を感じることが先決です。
だからこそ、私ども塾人の「教育という仕事」があります。端的にいえば、学習塾とは、学習の魅力を伝え、子供たちの学力をどこまでも向上させる場です。
子供たちに、なるほど、と納得を与えられるよう、学習指導に工夫することがひとつ、そして子供たちが学びに没頭することで、一日ごと達成する快感を味わっていただくことがもうひとつ。いかに学習そのものを楽しませてあげられるか──いかに一生懸命学習に打ち込むことで達成感を与えてあげられるか──私どもの力が試されるところです。