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個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2013年5月24日]

市川市本八幡の進学塾:振り幅の大きな時代

 炎上という言葉があります。もともとは、建物が火事で焼けることを意味します。野球界では、その比喩として、投手が大量に点をとられる場合を言いますが、今では、きっと炎上ときくと、ネット用語をイメージするはずです。
 
 ネットの世界を中心として、なんらかの不祥事が発生したのをきっかけに爆発的に注目を集める状態を表現する言葉が、この「炎上」です。

 先ごろでは、作家の乙武氏が、車いすのため入店拒否されたとし、イタリア料理店の店名を公開してツィートしたことで、国会でも話題にのぼる騒ぎとなりました。

 またこのところ、一気に市場が賑わい、短期間のうちに株高が進行していましたが、本日は一転、今年最高値を更新したかと思えば、驚くような急降下です。13年ぶりの下げ幅を記録したと言います。米国の金融緩和先行き懸念や、HSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値の悪化、中間決算期へ入るヘッジファンドによる利益確定売りなどが理由のようですが、いずれにしても、それこそ猫も杓子も株を買う動きから、振り幅激しく、一挙に株を手放す動きとなりました。

 考えてみるに、ICT(Information and Communication Technology)によって、インタラクティブの情報交換が可能となったこともあり、多様な意見が媒介しやすいはずなのに──現実的には、異なる様相も見せます。群衆の心理はあっちに振れたかと思ったら、新しい情報が入るや否や、こっちへと大きく振り切ります。東へみんなが走り出すと、みんな同じ方向へ走り、何だかその進路が正しくないようなら、みんな寄ってたかって一緒に方角を変更して、ともに走ろうとします。

 確かに我々の暮らしを快適にしてくれるICTは画期的、革命的な発明です。個が簡単に世界とつながり合える信じられない社会が現実化しています。私自身、ICTの進化をとても歓迎するとともに、この先、人間の社会がどのように変化していくのかとても興味があります。しかし、心配もあります。

 日本の学生の多くが、皆が高校に行くみたいだから、高校へ行き、何だか皆、大学へ行くから、自分もといった具合です。「GMARCH以上の大学がよいって聞いたから、自分もとりあえず目指してみようか」「おっと、周りが就職活動を始めたみたいだから自分もそろそろ始めてみよう」

 おそらく、情報を上手に扱える者と、安易に周囲の意見に流されてしまう人たちと間に格差が広がるはずです。残念ながら、主体性なく情報に流される者が行き着く先に、天国はありません。情報の海に溺れ、情報の海の藻屑となりかねません。

 だからこそ、教育の力によって、本物の思考力を育てる必要があります。いかにまだ未熟な学生たちを指導し、主体性際立つパーソナリティーを養成していくかも、これからの教育の力次第なのではないでしょうか。