パソコン版を見る

個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2013年6月9日]

市川市本八幡の進学塾:日本39%VS世界67%

 昨日の本ブログにて、「本物の算数」をテーマとしましたが、その続きです。

 ひとつ、慶應義塾大学大学院の中村伊知哉教授の発言を借りますと──

「日本では、勉強を面白いとも、役立つとも思っていない子供が増えている──」そうです。

 その中でもやはり深刻なのは、算数嫌いです。

 算数を面白いと感じる日本人小学生が39%だったことに対し、世界平均は67%。また算数の勉強が役立つと感じている生徒は世界平均の90%に比べ、日本は71%──という結果です。

 目下、小学校の土曜日授業を復活させる動きがありますが、先に取り組むべきは、授業の質改善なのではないでしょうか。いたずらに質の低い授業を増やすだけなら、かえって子供たちの勉強嫌いを増長しかねません。

 でも、どうして世界の子供たちの67%は、算数を面白いと感じ、対して、日本人小学生の39%しか算数を面白いと思わないのでしょう。

 その答えについて、昨日のブログで説明した次第です。現状、算数嫌いを誘発しているのは、文章題かもしれませんが、最も算数の魅力を伝えるカギは、この文章題にこそあります。

 何よりも、文章題と言う物語の一つ一つの情報を図示していくことで、ぱあっ!──とひらめきが誘発されます。まさにこの瞬間、「世界が見えた!」という感動が突き抜けるはずです。

 公も民も問わず、先生方には、ぜひとも算数のこの感動を伝えてほしいと願います。そのためにも、算数のパフォーマンス力を磨くことです。子供たち以上に、算数の魅力にのめり込むことです。

 また算数という科目だけに限らず、日本の小学生の多くが勉強そのものを嫌いと言いがちです。

「嫌い」は、危険な呪文です。にんじん嫌いの子はにんじんを克服しません。まず好きになりたいと思わなければ、にんじんを口に入れてもみません。社会が嫌い、理科が嫌いと言った瞬間に、見向きもしなくなります。これでは、折角の才能が埋もれたまま大人になってしまいます。

 本来、子供たちは知的好奇心のかたまりです。「知りたいという欲求」にあふれ、「なるほどの感動」を得たいと望んでいます。

 では、なぜ、いつしか子供たちは、嫌いの呪文のオンパレードになってしまうのでしょうか。ペットは飼い主に似ると言いますが、生徒は先生に似てくるものです。たとえるなら、鏡のような関係です。

 その先生が算数や社会に夢中になり、その学問の魅力を熱く語れる人なら、あたかも鏡で映したように、きっと子供たちもそうなりいと望むはずです。もしも子供たちが勉強を我慢と思い込むなら、おそらく、その先生が勉強嫌いで、勉強は我慢だと考え違いを起こしているのではないでしょうか

 本気で生徒の将来を考え、学びに夢中になってほしいと望むなら、まず先生の側が好奇心旺盛でどの科目も好きになることです。

 真に願います。この日本に、子供たちの手本となるべき本物の先生が増えることを──。

 やはり、子供たちの未来を創るのは、教育者です。本物が本物を創るはずです。